低脂肪牛乳と低脂肪乳の違いは？自家製ヨーグルトを作ることができないの？固まるかどうかを実験。

「低脂肪の牛乳をヨーグルトメーカーにセットしたら、脂肪分の少ないヨーグルトになるの？」

っていう疑問について、実際に実験してみます。

ヨーグルトメーカーでヨーグルトを作るときは、成分無調整牛乳を推奨。

「牛乳」の成分表示を見ると、「低脂肪牛乳」と「低脂肪乳」の2種類。

どっちも同じように思えますが、実はこちらの「牛乳」、違いがあります。

低脂肪牛乳や低脂肪乳の乳脂肪分の量は、成分無調整牛乳の約半分。

機種によりますが、ヨーグルトメーカーのトリセツには、低脂肪牛乳は、成分無調整牛乳のように上手く固まらないとの記載がある場合があります。

けど、”体によいもの”の代名詞のヨーグルトが低脂肪となると、もっとカラダに良いのでは？なんて考えてしまいますね

実際に、低脂肪牛乳と低脂肪乳をヨーグルトメーカーにセットして、仕上がりをチェックしてみます。

低脂肪牛乳と低脂肪乳は同じ？牛乳との違いは？

低脂肪と書かれている「牛乳」を2種類用意しました。

• おいしい低脂肪牛乳（森永乳業）
• さらっとおいしい低脂肪乳（コープこうべ）

それぞれ「低脂肪牛乳」と「低脂肪乳」と記載されています。

ただの言葉のニュアンスの違いだと思いがち。けど、成分表示を見ると、大きく異なります。

成分表示の種類別名称に注目してください。

低脂肪牛乳	低脂肪乳
低脂肪牛乳	加工乳

一般的な牛乳（成分無調整牛乳）を加え、乳脂肪分を比較します。

使用している牛乳は、コープこうべさんの「あじわい牛乳」。

成分無調整牛乳は、乳脂肪分が3.6%以上に対し、低脂肪牛乳と低脂肪乳は含有量が半分以上カットされています。

成分無調整牛乳	低脂肪牛乳	低脂肪乳
3.6%	1.2%	1.0%

区分	乳成分	生乳（％）	無脂乳固形分（％）	乳脂肪分（％）	乳固形分（％）	補足
成分無調整牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	3.0%以上	規定なし
成分調整牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	規定なし	規定なし
低脂肪牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	0.5～1.5％	規定なし
無脂肪牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	0.5％未満	規定なし
加工乳	生乳＋乳製品	規定なし	8.0%以上	規定なし	規定なし	低脂肪乳無脂肪乳
乳飲料	生乳＋乳製品＋乳製品以外のもの	規定なし	規定なし	規定なし	3.0%以上	果汁・コーヒー入り飲料

低脂肪牛乳の乳脂肪分の規定は、0.5〜1.5%です。基準を満たしています。

低脂肪乳である加工乳は、脂肪分の量が乳脂肪牛乳に近いですが、実際の基準は規定なしです。

けど、無脂乳固形分（乳脂肪分以外のもの）が8.0%以上であることが必要のため、乳脂肪分を増量することができません。

低脂肪乳を「牛乳」と呼ばない理由は？

低脂肪牛乳と低脂肪乳・・・混同してしまいますね。

なぜ、同じ低脂肪なのに、低脂肪乳を「低脂肪牛乳」と呼ばないのか？

「牛乳」という言葉が使えるのは、牛の乳である「生乳」をすべて含んでいる場合です。

詳細は、乳等省令に記載があります。

第二条　

1. この省令において「乳」とは、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳及び加工乳をいう。
2. この省令において「生乳」とは、搾取したままの牛の乳をいう。
3. この省令において「牛乳」とは、直接飲用に供する目的又はこれを原料とした食品の製造若しくは加工の用に供する目的で販売（不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。以下同じ。）する牛の乳をいう

引用元：厚生労働省 乳等省令における規定　第二条１～３項（食品衛生法）　

要点をカンタンにまとめると、こう。

乳	生乳	牛乳
牛や山羊から搾取されたものを原料に飲用を目的としたすべてのミルク	搾取したままの牛の乳で加熱殺菌をしていない	飲用するために加熱殺菌し販売された牛の乳（生乳）

乳等省令では、「生乳＝牛の乳」。

衛生上、「生乳」を直接飲用することはできないため、加熱殺菌することで「牛乳」が完成します。

区分	乳成分	生乳（％）	無脂乳固形分（％）	乳脂肪分（％）	乳固形分（％）	補足
成分無調整牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	3.0%以上	規定なし
成分調整牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	規定なし	規定なし
低脂肪牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	0.5～1.5％	規定なし
無脂肪牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	0.5％未満	規定なし
加工乳	生乳＋乳製品	規定なし	8.0%以上	規定なし	規定なし	低脂肪乳無脂肪乳
乳飲料	生乳＋乳製品＋乳製品以外のもの	規定なし	規定なし	規定なし	3.0%以上	果汁・コーヒー入り飲料

先ほどの表をもう一度。こちらの表は、乳乳省令に記載された成分の規格をまとめたものです。

「牛乳」と記載されているものは、生乳100％と記載されています。

低脂肪牛乳と低脂肪乳で自家製ヨーグルトを作るとこうなる。

低脂肪牛乳と低脂肪乳を、それぞれヨーグルトメーカーに実際にセットしてみました。

低脂肪牛乳で作ったヨーグルト

使用した牛乳は、森永乳業さんの「おいしい低脂肪牛乳」。

種菌は、明治さんの「LG21」です。

100mlほど牛乳を減らし、種菌を加えます。

清潔にしたヨーグルトメーカーにセットして、8〜10時間あたためます。

ん？固まっているように見えますよね？

写真じゃわかりにくいので、中身を実際に見てみましょう

粗熱を取り、冷蔵庫に半日牛乳パックごと入れておいたものです。

すくってみると、こんな感じです。

低脂肪牛乳で作ったヨーグルトを容器に移すと、タラタラ流れるような感じ。

容器に移し終えた様子。

パッと見、フツウにヨーグルトのような出来上がり。あまり違和感ありません。

低脂肪牛乳で作ったヨーグルトを食べてみると、少し酸味があり。

牛乳っぽさ控えめ。

トロミは少なく液体っぽさがあります。

けど、さっぱりとしたのど越しで、脂肪分特有のもったりとした感じがあまりありません。

低脂肪乳で作ったヨーグルト

使用した牛乳はコープこうべさんの「さらっとおいしい低脂肪乳」を使用します。

種菌は、明治さんの「LG21」です。

低脂肪牛乳で作ったのと同様、固まりやすくするために冷蔵庫から出して１時間常温に置いていました。

低脂肪牛乳と、手順は同じ。

低脂肪牛乳と同様、粗熱を取り、冷蔵庫に半日牛乳パックごと入れておきました

「固まるかな？」とドキドキしていましたが・・・

なんとかここまで固まりました・・・！

容器に移した時の様子。

ゆるいとはいえ、完全に液体ってわけではなく、固形っぽさはあります。

見た目はあまり変わらないかな？

けど、誰がどうみてもヨーグルトって感じはします。

さっぱりとしていますが、ちょっとコクが足りない感じです。

物足りないけどさっぱりヨーグルトが完成。

実験の結果、低脂肪牛乳や低脂肪乳でヨーグルトを作ることができました！

ただ、固まった理由が、いつもより長めに温めたからだと思います。

低脂肪牛乳や低脂肪乳は、字のごとく、脂肪分が少ないです。

乳脂肪分の多い成分無調整牛乳のヨーグルトより、クリーミーな味わいが少なく、物足りなさを感じてしまいます。

けど、さっぱりとした酸味で脂肪分を抑えることができます。

「薄い。」「液体っぽい。」のが気になるときは、このようなものをトッピングをすると少しコクを足すことができます。

「脂肪＝摂りすぎはよくない」

そんなイメージが強いですが、ヨーグルトのトロミが美味しいのは、乳脂肪分があってこそ。

もし、低脂肪牛乳や低脂肪乳でヨーグルトを作るなら、物足りなさはおなかに溜まりやすいトッピングでカバー！

ヨーグルトだけでは取ること出来ない食物繊維やビタミン、ミネラルなどを組み合わせることができます。

低脂肪牛乳、低脂肪乳でヨーグルトメーカーにセットしたときの仕上がりについて、レポートしました。

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