おさしみやお肉、冷たいめんの薬味など、夏の料理を引き立ててくれる、みょうが。
みょうがを食べると、ものわすれになるという話、聞いたことありませんか?
これは、日本に古くから伝わる迷信(めいしん)のひとつです。
子ども
みょうがを食べると、ものわすれになるって聞いたことあるけど、本当かなぁ?
Rumi
迷信だけど、なぜそう言われたのかには、理由があるよ。
みょうがを食べると物忘れになるのは本当?
まずは、みょうがの栄養を見てみましょう。
- ビタミンB1:しんけいやきん肉のはたらきを助けたり、つかれた体を回復する
- カリウム:血液の流れを調節する
- ミョウガオール:みょうがの香り成分で、悪い菌をやっつけるはたらき
- ミョウガエン:みょうがの香り成分で、悪い菌をやっつけるはたらき
子ども
ものわすれになる栄養ってどれ?
Rumi
みょうがの栄養に、ものわすれになるというのが分かる栄養がふくまれていないよね。
つまり、みょうがでものわすれになる理由をだれも発見していないということだよ。
みょうがの成分を見ると、頭のはたらきを活発にするために必要なビタミンB1がふくまれます。
カリウムは、頭の血管をふくまえて、血液の流れに関係する栄養素です。
Rumi
反対に、みょうがを食べると、ものわすれを防ぐ可能性があるよ。
みょうがとものわすれは関係ないので、安心して食べてね。
みょうがと物忘れの迷信はどこからきたの?
子ども
みょうがを食べるとものわすれになる由来(ゆらい)を教えて。
Rumi
いろんな言い伝えがあるけど、代表的なものが2つあるよ。
- インドのおぼうさん説
- 落語の茗荷宿(みょうがやど)説
インドのおぼうさん説
インドでは、おしゃか様の教えを守っているおぼうさんたちは、野菜やくだものを食べてはいけないというおきてがありました。
とくに、ニンニク、しょうが、みょうがなど、香りの強い野菜は、きびしく禁止されていました。
Rumi
しげきの強い食べ物は、ほしい気持ちが高まってしまい、おまいりに集中できなくなるからと考えられていたんだよ。
この考え方が日本に伝わり、みょうがを食べるとものわすれになる迷信へと変わったと言われています。
落語の茗荷宿説
落語の題材に茗荷宿(みょうがやど)のお話があります。
茗荷宿とは、江戸時代に東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぐ)のひとつ、茅ケ崎宿(ちがさきやど)の別の名前です。
茅ケ崎宿は、みょうがの栽培がさかんで、みょうがを使った料理やおかしが名物でした。
旅人たちは、みょうがをたくさん食べてしまい、次の日には旅先のことを忘れてしまったというお話です。
Rumi
このお話が落語の題材として言い伝えられ、みょうがを食べるとものわすれになるという迷信に広まったとも言われているよ。
まとめ
みょうがを食べるとものわすれになるは本当なのかについておはなししました。
- みょうがには、ビタミンB1やカリウムなど頭のはたらきをよくする栄養がふくまれる
- みょうがとものわすれの関係を、実際に調べた研究はなく、だれも発見していない
- みょうがとものわすれの迷信は、インドのおぼうさん説と落語の茗荷宿説がある
- インドのおぼうさん説は、みょうがは香りが強く食べてはいけないことが日本へ伝わり、物忘れへと変化したから
- 落語の茗荷宿説は、茗荷宿で旅人がみょうが料理を食べて泊まった次の日、ものわすれになったという話が落語の題材として広まったから
子ども
みょうがは、ものわすれには関係ないんだ。けど、香りの強い食べものだから、食べすぎに気を付けないとね。
Rumi
みょうがの香りは、暑い夏をすずしげにしてくれるよ。栄養たっぷりな野菜なので、きざんで薬味に使ってみてね。