「おうちでコンポストを始めたいけど、どんな生ゴミを使えば良いのか分からない。」
というあなたへ、コンポストで使える生ゴミをまとめました。
ちょっとした一手間を加えるものもありますが、食べ物のほとんどがコンポストになります。
生ゴミの分解度は食材によって差はありますが、生活スタイルはこのままで。普段どおり調理しても大丈夫です。
微生物が分解しやすい食材だけ集めて毎日調理するとか、そんな必要ありませんよ。
分解しにくい生ゴミには注意点を記載しておきます。どうぞご覧くださいね。
コンポストで微生物が分解して堆肥ができるまでの流れ
コンポストを開始したかって、生ゴミの分解が始まり、すぐに堆肥として使えるわけではありません。
生ゴミを投入し、微生物が分解開始し始めるまで、7〜10日ほど時間がかかります。
微生物が分解し始めることによって生ゴミの形やニオイがなくなり、熟成することでサラサラした堆肥へと変化していきます。
生ゴミを堆肥化しやすくする条件として
- 微生物が分解しやすい生ゴミ
- 微生物が分解しやすい環境
- 微生物が活動しやすい温度
が必要になります。
コンポストを導入するために、このような材料が必要です。
微生物の分解に役立つ基材や市販の発酵促進剤を使うだけで十分効果がありますが、
より分解を早めるものとしてオススメなのが次の3つ
- 廃油(1日100ccまで)
- 米ぬか
- 酒かす
これらは、コンポストの温度を上げたり、微生物の発酵を助ける役割もあります。
オイルポットに揚げ油がたくさん余ったら、時々コンポストに使うと、長期間ほったらかしにする心配がなくなります。
微生物が好きな栄養(炭水化物やタンパク質)は、虫も大好きです。
入れすぎるない程度に、積極的に使っていきましょう。
では、次に、微生物が分解しやすい生ゴミと分解しにくい生ゴミについて、ドンドンご紹介しまーす。
微生物が分解しやすい生ゴミ
微生物が分解しやすい生ゴミは以下のもの。
- 植物性の食品
- 炭水化物を多く含む食品
- 動物性の食品
- 出がらし、抽出カス
- 残飯、食べ残し
植物性の食品
コンポストでよく使われる生ゴミです。
水分が多く柔らかい葉物野菜、リンゴやバナナの皮などは分解速度が早いです。
調理で加熱したものであれば、より分解速度が早まります。
厚みがあって分解しにくそうなスイカの皮ですが、水分が多く、実は分解しやすい食材。
水分が多い生ゴミは、コバエなど虫が湧きやすいので、しっかりと水気を切っておきましょう。
炭水化物を多く含む食品
微生物が大好物なものは、エネルギーの元となる炭水化物です。
米を原料にした食材は、加熱処理されているものであれば、分解しやすくなります。
小麦粉を原料にした食材は、調理前の粉末の状態から投入することが可能です。
古くなった小麦粉など粉物からダニが発生することがあります。
コナダニやケナガコナダニが代表的で、コンポストに使用しても人的被害はありません。
動物性の食品
動物性食品は、量が多かったり、加熱されていない状態(ナマ肉)で加えると、ニオイや虫が発生しやすくなります。
熱を加えた状態で細かく切って投入し、投入後はよく混ぜて空気を含ませるとよいでしょう。
お肉やお魚の身や内臓には、分解酵素が豊富に含まれ、微生物の分解を助けることができます。
燃えるゴミとして捨てず、積極的にコンポストに利用しましょう。
出がらし、抽出カス
出がらしや抽出カスは、微生物が触れる表面積が小さく、水分を吸って柔らかいため、分解速度が早いです。
コーヒーの抽出カスに含まれる炭素は、生ゴミの消臭効果や微生物の分解促進効果がありますが、植物の成長に必要な窒素が不足する原因にもなります。
毎日コーヒーを飲む際、投入は1日1回まで。一気にまとめて投入しないように注意しましょう。
残飯・食べ残し
調理済みの食品や残飯は、あらかじめ加熱調理をしているものが多いので、分解速度が早いです。
調理済食品を投入するときの注意する点は、油の量です。
油を多く含む料理、ドレッシングなどを加える際は、1日に投入可能な油の量(100cc)から逆算して投入しましょう。
※コンポストになるからって、よいこのみんなは、キライな食べ物を残すのはやめようね。
微生物が分解しにくい生ゴミ【投入注意!】
以下のものを投入する際は、細かく刻んだり加熱をして柔らかくする工夫が必要です。
- 繊維質が多いもの
- 厚みがあるもの
- 固く頑丈なもの
繊維質が多いもの
野菜や果物の植物性食品の皮で、水分が少なく繊維質が多くなるほど、分解に時間がかかります。
繊維が固い根菜類の皮は、細かく刻み、あらかじめ加熱した状態で投入すると、皮が柔らかくなり改善されます。
玉ねぎの皮、アボカドの皮、とうもろこしの皮・芯、栗の鬼皮、タケノコの皮など、分解し終えるのに時間がかかるものも多いです。
堆肥として使うとき、まだ残っている場合があります。
厚みがあるもの
厚みがありぎゅーっと身が締まっている食材は、表面に空気が入りにくく分解に時間がかかります。
可能な限り細かく刻んで、小さく切った状態で投入しましょう。
固くて潰れにくいもの
口の中に入れて、カチッと固い物が歯に当たると、食べたり飲み込むことがしんどいですよね。
コンポストも同じで、口に入れると噛み切れなかったり飲み込めないものは、分解するのに時間がかかります。
エビの殻や卵の殻などは、熱を加えたり細かく潰すなどすると、改善されます。
骨や貝殻、カニの甲羅は、時間の経過と共に砕けやすくなりますが、堆肥として使うときにまだ残っている場合があります。
先ほど米を原料にした食材は分解しやすいと記載していますが、硬い生米になると分解速度が低下します。
ご注意くださいね。
※貝殻は、アサリやシジミなど小さなものは時間の経過とともに砕けやすくなりますが、大きなものは分解されないことも多いため、破棄したほうがいい場合もあります。
コンポストに使えないもの
以下のものは、堆肥を作ることに支障をきたすこともあります。誤って投入しないよう注意しましょう。
- 有害物質・排せつ物
- 多量の塩分を含むもの
- 食べられないもの
有害物質・排せつ物
これらをコンポストに投入して処理することは、ゼッタイにやめましょう。
微生物が死滅してしまったり、害虫・悪臭の発生、細菌感染の原因になるものもあります。
多量の塩分を含むもの
塩分が強いものを堆肥にしようとすると、塩害の原因になります。
塩害によって、コンポスト作りに欠かせない微生物の働きを鈍らせたり、死滅させてしまう恐れがあります。。
食塩、塩分含有量の高い調味料(しょうゆ、味噌など)、ぬか床など、一度にたくさん加えることは控えておいたほうがよいでしょう。
食べられないもの
ゴミ袋の中によく捨てられているゴミ類です。
人が食べられないものは、微生物の分解を妨げ、堆肥化することができません。
果物に貼られているシール、野菜袋のテープ、お惣菜に付いている輪ゴムなど、生ゴミと紛れてしまうことがよくあります。
生ゴミと分別する際、早いうちに取り除いておきましょう。
生ゴミを細かく切って柔らかくして投入すれば、コンポストは難しくない
コンポストの生ゴミで投入できるものとできないものについて、まとめました。
- 生ゴミになる食べ物の多くが堆肥化することできる
- 繊維が多く水分が少ない食材、厚みがあって固い食材は、分解処理に時間がかかる
- 小さく刻んだり加熱して柔らかくすれば、分解速度を早めることができる
このポイントをおさえておくと、コンポストは難しくありません。
コンポストとして投入できる生ゴミは、1日300g〜500gを目安に。
一気にまとめて投入せず、新鮮なうちに毎日生ゴミを入れていったほうが微生物が分解しやすいです。
虫や悪臭トラブル防止策は、必ず水気を切っておくこと。適度に混ぜることもお忘れなく。
以上、お役に立てると幸いです。