シャトルシェフの使い方を間違えてはいけない。保温調理器が食中毒の原因になるのか、ほったらかしの時間にかかっている。

「シャトルシェフ」という保温調理器という調理器具をご存知でしょうか?

数分間加熱した調理鍋をステンレス製の保温容器に入れて、あとはほったらかし

火を止めたままの状態で、余熱で煮込み料理を作ることができるお鍋です。

魔法瓶のような保温容器は、真空断熱構造になっているので余計な火力や電力を使いません。

保温調理器は必要以上の熱をかけないため、煮崩れや焦付きを防ぎふんわりと柔らかく仕上がります。

その柔らかさは、肉汁がジュワッと流れて箸で簡単に切ることができるほど、かなり高クオリティ。

保温調理器の低温調理の方法を間違えてしまうと、料理を傷ませてしまいおなかを壊してしまった!ということも。

キッチン用品売り場に行くとたくさんの保温調理器が並んでいますが、私が持っている保温調理器「シャトルシェフ」を例に、正しい保温調理器の使い方をご紹介。

保温調理器の”ほったらかし”というメリットが時にはデメリットになる

保温調理器は、ガスやIHを長い時間使わず、鍋本来の保温力で余熱を利用して料理をするお鍋のこと。

保温調理鍋、低温調理器、いろいろ呼び名があります。

いろんなメーカーさんから販売されていますが、「シャトルシェフ」などサーモス商品がシェアの大半を占めています。

グツグツ煮込む時間がいつもより短時間で済むため、ガスや電気代の節約になるのがメリット。

経済的な面で活躍するだけでなく、小さな子どもを子育てしているときとか、火の元を気にしなくていいから大助かり。

火を止めてほったらかし調理ができるからコゲついたり煮崩れすることなく、柔らかくしっかりと染み込んだ味はまさに感動ものです。

玉ねぎを丸ごと煮込んで、火を止めたまま5時間ほったらかし。

箸で切れる丸ごとオニオンスープを作ることができます。

「シャトルシェフ」の低温調理で作る!丸ごと玉ねぎのオニオンスープのレシピ。ほったらかしにするだけでお箸で切れるトロトロ食感を楽しめる。

2019-09-12

丸ごとだけど潰して好みの大きさに切ることができるから、小さなお子様のとりわけ料理にもピッタリですよね。

火を止めている間は、他の家事や子育ての時間が使えるから、目が離せないものが減って少し余裕ができました。

そんな、優秀アイテムである保温調理器のメリットが、時にはデメリットになってしまうのです。

魔法瓶のような素材でできた大きく頑丈な保温容器はお鍋をすっぽりと包むことで長い時間火を使わなくても温度が保てる構造になっています。

蓋を閉めた状態で保温できる温度は60℃前後。いったん蓋を開けると温度が下がってしまうので注意。)

魔法瓶構造の保温容器でお鍋の熱を閉じ込めて、加熱をしていなくてもアツアツの状態を保つことができます。

しかし、保温できる温度には限界があります。

シャトルシェフで60℃の温度帯をキープできるのが長くても8時間程度。

それ以降の時間は温度が低下してしまい徐々にぬるく冷めていきます。

食中毒菌が発生しやすい温度帯は、この冷めている間なのです。

保温調理器を使うことで食中毒の原因になる理由は?

保温調理器で作った料理には、食べ物が腐る条件が揃っているからです。

なぜ、食べ物が腐るのかというと、空気中に浮いている細菌が繁殖してしまうからです。

3つの要素が揃うと、細菌が繁殖することができる環境が完成!

  • 温度
  • 水分
  • 栄養

保温調理器の中は、食べ物が腐る原因が詰まったまさに絶好のスポットなのです。

温度

細菌が繁殖しやすい温度帯は20℃〜50℃の間と範囲が広く、もっとも増殖しやすいのが35℃前後です。

人肌感じるあたたかさが、細菌にとって快適な環境です。見た目では全くわかりません。

この温度帯が長く続くと、気づかぬうちに細菌が増えていきます。

水分

どんなに栄養価が高い料理も、食材のほとんどが水分でできています。

細菌の80〜85%が水分です。水分があれば生命活動を維持することができます。

保温調理器の中は蓋を閉めた状態。温泉にぬくぬくと浸かっているような環境です。

栄養

あまりピンとこないけど、細菌も人間が食べているお肉やお魚などの食品が大好物です。

人間の体の基礎を作るたんぱく質は、細菌にとって元気の源。お肉やお魚などに多く含まれます。

食品中に含まれるたんぱく質を摂取して、水分と空気、適正温度が加わると、増殖するための要素が揃います。

ぬくぬくと温かいお部屋で食べ物や飲み物が手元にあって・・・ぐーたらできる、私たちも幸せに感じますよね。

細菌にとっても快適な環境なのです。

保温調理器で美味しい食事を作って幸せを感じるはずなのに・・・、細菌の思うツボにハマらないよう注意する必要があります。

シャトルシェフなどの保温調理器を使用する時のポイントと注意点

保温調理器のメーカーによって使用方法が多少異なりますが、加熱を利用せず低温の状態で長時間放置をする点は共通しています。

安全に調理をするためには温度が20~50℃にならないように長時間の保温を避けることが重要。

「シャトルシェフ」の取説を参照し、保温調理器の注意点をまとてみました。

  • 分量は最低2人分以上、煮汁は多めに
  • 保温調理中は蓋を開けない
  • 保温時間が長くなったら再加熱

分量は最低2人分以上、煮汁は多めに

お鍋の中の分量が少なすぎると、温度が下がりやすく保温効果が低下します。

食べきれないからと少なめに作るのはNG。食品の劣化の原因になります。

お鍋の中の分量は8分目程度を目安とし、煮汁を多めにしておきましょう。

煮汁が少なかったら、具材全体に保温が行き渡らず上手に保温ができない場合があるので注意が必要です。

保温調理中は蓋を開けない

保温中に保温容器や保温鍋の蓋を何度も開けると、料理が冷めやすくなります。

急激な温度低下で保温効果が弱くなり、食品が傷む原因になります。

保温中は、蓋の開け閉めをできるだけ少なくし、保温機能を少しでも伸ばすこと。

温度低下が心配な場合は、再加熱をしましょう。

保温時間が長くなったら再加熱

長時間保温すると、料理やお鍋全体の保温温度が低下します。

料理の分量や水分量、具材の大きさなどで、保温時間に差が出る場合があります。

寒冷地で使用する場合は、火の通りにムラができたり温度低下が早くなることもあります。

召し上がるまでの間にお鍋の温度が低下してしまったら、その都度再加熱をして60℃以上の温度を常にキープする必要があります。

以上ののポイントを抑えることが重要です。

例えば、午前10時に保温調理器で料理を作って午後6時ごろに中身を食べ始めるとなると、保温調理を開始して8時間が経過します。

蓋を開けると温かさは残りますが、保温開始時よりも温度が低下している状態です。必ず再加熱をしてください。

どうしても余るときは、調理鍋から中身を取り出して小分けで冷蔵保存をして、細菌の増殖のスピードを弱めていきます。

細菌を増殖させないために加熱と保冷。空気に注意。

食べ物が腐っていることに気づかずに口にしてしまう食中毒は、ほとんどが細菌性のものです。

夏の温かい時期に繁殖のスピードが高まりますし、細菌にとって絶好の条件が揃えば季節関係なく食中毒が起こります。

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細菌が死滅するには、75℃以上1分以上の加熱を推奨しています。

また、加熱したあとすぐに温度を下げて冷たくすることで細菌の繁殖スピードを遅くすることができます。

※食中毒を100%防ぐ方法はありません。あくまで対策として頭に入れておきましょう。 

お弁当やおにぎりに付着しやすい黄色ブドウ球菌の対策に有効ですが、例外もあります。

お鍋でグツグツ煮込んだ料理に多い食中毒菌は、ウェルシュ菌です。

ウェルシュ菌は、酸素があれば増えることができない偏性嫌気性菌。

空気中の酸素に触れると細菌が増えやすくなるブドウ球菌とは反対に、ウェルシュ菌は酸素を加えることで増殖を防ぎます。

煮込み料理は、サラサラとしたスープ系のものやカレーやシチューなどドロッと重みがあるものもありますよね。

保温調理器で作る煮込み料理から、ウェルシュ菌が発生する可能性も十分に考えられます。

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食中毒防止のポイントと保温調理器の正しい使い方をもう一度おさらい。

保温調理器を使うときは、必ず再加熱。

正しい使い方をすれば調理時間を短縮しながら効率良く料理を仕上げることができるし、コゲが少なく味がしっかりと染みた美味しい料理を作ることができます。

  • 細菌が増殖する温度は20℃〜50℃。温度低下に注意
  • 細菌の増殖は、温度と水分と栄養に影響される
  • 温度が低下しないように、中身の分量に注意して蓋を開けすぎない
  • 温度低下が心配のときは再加熱をすること
  • お鍋の中身が余るばあいは、小分け容器に入れて保存

以上のことを踏まえて、保温調理器を使いこなして、楽チン料理をたくさん作ってくださいね。

シャトルシェフでお芋を蒸すと美味しいですよ。

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