ヨーグルトメーカーでローストビーフを作る方法がインターネットで話題になっています。
低温調理でお肉を加熱するとき、気になるのは、食中毒・・・。
低温調理は、通常加熱より低温で加熱をするため、食中毒の可能性が高くなります。
Rumi
わたしも、ヨーグルトメーカーでローストビーフをよく作って家族と食べます。
食中毒になった人はいませんが、調理をするのは自己責任です。
ヨーグルトメーカーでローストビーフを作るメリット
ヨーグルトメーカーは、種菌を加えた牛乳を約9時間かけて保温して、ヨーグルトを作る機械です。
牛乳を発酵させてヨーグルトを作る温度は、約40℃。
低温を維持しながら、メンドウな温度管理なしでヨーグルトが完成できます。
Rumi
低温で温度管理ができるので、ヨーグルト以外のメニューが作れる機種もあります。
- ほったらかし調理でローストビーフを作れる
- 低温調理でお肉のうま味やジューシーさを引き出せる
- 温度管理で失敗しにくい
- オーブンが汚れない
Rumi
ジッパー付き袋にお肉を入れてお湯を張った専用容器にいれて、ヨーグルトメーカーで保温します。
油が飛んで調理機器を汚すことが少なく、袋は使い捨てです。
ヨーグルトメーカーでローストビーフを作ると食中毒になる?
牛肉を料理するとき気をつけなければならないのは、悪い菌がついていることです。
その中で、腸管出血性大腸菌O157を耳にしたことある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
牛肉の中心に入ることは少ないですが、食べると命にかかわります。
Rumi
牛肉の表面に付着するため、しっかり加熱することが大切!
ブロックの牛モモ肉(約300g、厚さ約4cm)をジッパー付き袋に入れて58℃のお湯に入れた場合、
肉の内部温度が同じ温度(58℃)まで上がるのに約100分かかっています。
中心部の温度を維持するには、以下の時間を追加する必要があります。
- 55℃の場合、97分
- 58℃の場合、28分
- 63℃の場合、瞬時
この実験結果で分かるのは、低温調理でお肉を中心まで殺菌させるのに、長い時間がかかること。
Rumi
中心まで完全に殺菌させるのに、100分以上かかります。
安全を守るために、中心温度を確認しましょう。
ヨーグルトメーカーでローストビーフを作るときの注意点
ヨーグルトメーカーでローストビーフを作るときの注意点はこちら。
- 鮮度の高いの牛肉を使用する
- 玉ねぎやニンニクをすり込んでおく
- 牛肉を常温に戻しておく
- 牛肉の表面を先に焼いておく
- 中心温度計を使用する
- 本体や器具を清潔にする
- 最高温度が高い機種を使う
- 食べる直前にカットする
Rumi
100%食中毒を防げる方法はありません。あくまで対策としてご覧くださいね。
鮮度の高い牛肉を使用する
ローストビーフ用の牛肉を買うときは、新鮮な牛肉を選び、購入した当日中に使いましょう。
モモやヒレなど、赤身の多いお肉がローストビーフに使われることが多いです。
- 鮮やかな赤色
- 肉汁が流れていない
- 脂身が白い
- 水滴が付着していない
- 表面に粘りがない
もちろん、消費期限も確認!
消費期限とは、食べ物が安全に食べられる最後の日のことです。
Rumi
古いお肉は、表面が褐色がかっていたり脂身が黄色くなりなっています。
値引きシールの付いたものは、消費期限が近く、鮮度が低下しはじめています。
玉ねぎやニンニクをすり込んでおく
食中毒菌は、牛肉の表面に付着します。(内側には付着しません。)
牛肉を加熱する前に、表面にすりおろした玉ねぎやニンニクをすり込んでおきます。
玉ねぎは、牛肉300gにつき1/2個、ニンニクは2かけ程度。
冷蔵庫で3時間~半日ほどつけておくと良いでしょう。
玉ねぎやニンニクは、アリシンという香りの強い成分が含まれています。
- 消臭・殺菌作用
- うま味や香りの増加
Rumi
アリシンは熱によって分解されるので、ナマの玉ねぎやニンニクを使うのが重要!
牛肉を常温に戻しておく
牛肉を加熱する前に常温に戻しておきましょう。
お肉の外側と内側の温度差を小さくし、均一に火を通すためです。
冷蔵庫から出したばかりの牛肉は、外側と内側の温度差が大きいです、
焼いた時に外側だけ焼けてしまい、内側が生焼けになってしまうことがあります。
Rumi
長時間の常温放置は、NGです。
夏は10分前、冬は20分前に、常温に置いておきましょう。
牛肉の表面を先に焼いておく
先ほども言いましたが、牛肉は表面に菌が付着しやすく、内側に付着しません。
70℃1分以上加熱すると、ほとんどの食中毒菌が死滅します。
あらかじめ牛肉の表面を焼くと、表面に付着している菌を殺菌させる効果があります。
中心温度計を使用する
中心温度計は、食品の中心部の温度をはかる温度計です。
中心温度計は、表面だけでなく、内部に火が通っているかを確認できます。
ローストビーフの焼き加減は、ミディアムレアで約55℃、ミディアムで約60℃です。
中身が赤いのは、生焼けではなく、牛肉のたんぱく質「ミオグロビン」が完全に変性していないからです。
牛肉の中心温度が60℃をこえると、たんぱく質の変性が始まり、ミオグロビンが赤色から茶色へ変わります。
こちらの記事もあわせてご覧ください。
本体や器具を清潔にする
食中毒菌の侵入を防ぐために、本体や器具を清潔にしておきましょう。
ヨーグルトメーカーでヨーグルトを作るときと同様、器具の熱湯消毒は必要です。
本体や中心温度計は、アルコールを付けた布巾で汚れを拭き取り、消毒しておきましょう。
Rumi
お肉を扱う時は、手をしっかり洗い、ビニール手袋を付けましょう。
最高温度が高い機種を使う
ローストビーフを作るときは、最高温度が高いヨーグルトメーカーを使いましょう。
温度調節が可能なヨーグルトメーカーは、最高70℃と高い機種もあります。
ヨーグルトだけでなく、他のメニューも調理可能であることも多いです。
温度設定ができないヨーグルトメーカーもあります。
温度設定ができない機種は、ヨーグルトの発酵のみで40℃程度しか保温できません。
Rumi
温度設定ができない機種でローストビーフを作ったことがあります。
保温時間を長めにして無事完食しましたが、60~70℃の温度で調理したほうが安心です。
食べる直前にカットする
ローストビーフができあがったら、粗熱を取り、カタマリのまま冷蔵庫に保存しましょう。
切り分けるのは、食べる直前です。
しつこいですが・・・、菌が付着するのは牛肉の表面です。
カットすることによって、内部の表面積を広くしてしまうため、菌が付着しやすくなります。
食べる前にローストビーフを切り分けて、カットしたら早めに食べましょう。
ヨーグルトメーカーの低温調理を利用してローストビーフを作る
以上を踏まえ、ヨーグルトメーカーでわたしが作っている方法をご紹介。
牛肉のブロック肉を用意!
やわらかい口当たりにするために、格子状の切込みを入れておきます。
すりおろした玉ねぎとニンニクをジッパー付き袋に入れ、冷蔵庫に3時間入れておきます。
ジッパー付き袋から牛肉を取り出し、果肉と余分な水分をのぞきます。
フライパンに軽く油を引き、牛肉の表面を焼きます。
片面につき中火で2~3分焼き、6面すべてに焼き目を付けます。
ヨーグルトメーカーの専用容器の中に、60℃のお湯を張っておきます。
半分程度入れておき、牛肉の重さに合わせてお湯を捨てながら調整。
焼いたお肉は、粗熱を取り冷ましておきます。
ジッパー付き袋を入れ替えて、もう一度牛肉を入れます。
(軽く塩コショウを振ってもOK)
ジッパー袋に入れた牛肉を専用容器に入れて、ふたをして、ヨーグルトメーカーにセット。
マニュアルモードの60℃3時間に設定します。
保温後の牛肉がこちら。
粗熱を取った後、肉汁をのぞき、袋ごと2時間程度保存しておきます。
肉汁は、底にたまっています。この汁を捨てずに再利用。
先ほど使用したフライパンに、以下の材料を投入。
- 肉汁:適量
- おろし玉ねぎの余り:適量
- バター:20g
- しょうゆ:大さじ2
- 赤ワイン:大さじ2
3分の1くらいの量になるまで煮詰めます。
冷蔵庫からローストビーフを出し、食べる直前に切ります。
食べやすい大きさにスライスし、お好みで野菜を添え、グレービーソースをかけます。
おろし用だけでも玉ねぎがあまりそうなときは、スライスして水にさらしておくのも手。
このように、盛り付け用スライス玉ねぎを用意しておくのも良いでしょう。
完成!
スライスしたローストビーフはお早めに。
作ったローストビーフは、当日中にお召し上がりくださいね。