「売り場の牛乳が多すぎて、違いがわからない。」
そんなあなたへ、牛乳の分類と定義についてご紹介します。
牛乳パック丸ごと、ヨーグルトメーカーへセットする方で、こんなお悩みありませんか。
お困りママ
安い牛乳を使うと、うまく固まらないよ・・・。
Rumi
安い牛乳は、「成分無調整牛乳」ではない場合もあります。固まりやすさは、成分無調整牛乳がダントツです。
牛乳は、日々の家庭料理に欠かせない食材のひとつ。できるのなら、安いものを買いたい・・・。
売り場に置いてある牛乳は、安くて200円いかないものもあれば、200円を超えてしまうものもあります。
メーカーごとで牛乳の味がなんとなく違って感じる理由
並んでいればどれも同じに見える牛乳。
たまに違うメーカーのを飲んでみると、なんだかいつもと違う・・・。
賞味期限、切れていないのに、なぜ?
そのように感じる理由は、牛乳に含まれる成分やその含有量が異なるからです。
普段何気なく飲んでいる牛乳ですが、どんな基準で購入していますか。
Rumi
いろいろ理由があると思いますが、購入の決め手としては大正解です。
- 味が薄く感じる(または濃く感じる)
- 水っぽく感じる
- いつも飲み慣れている牛乳より美味しくない
など。好みの違いで感じ方は変わりますが、
牛乳の成分に差がある場合も考えられます。
Rumi
牛乳の成分は、パッケージや品質表示を見ると確認できます。表示の内容で牛乳の分類が変わります。
牛乳の分類と定義
区分 | 乳成分 | 生乳(%) | 無脂乳固形分(%) | 乳脂肪分(%) | 乳固形分(%) | 補足 |
---|---|---|---|---|---|---|
成分無調整牛乳 | 生乳のみ | 100% | 8.0%以上 | 3.0%以上 | 規定なし | |
成分調整牛乳 | 生乳のみ | 100% | 8.0%以上 | 規定なし | 規定なし | |
低脂肪牛乳 | 生乳のみ | 100% | 8.0%以上 | 0.5~1.5% | 規定なし | |
無脂肪牛乳 | 生乳のみ | 100% | 8.0%以上 | 0.5%未満 | 規定なし | |
加工乳 | 生乳+乳製品 | 規定なし | 8.0%以上 | 規定なし | 規定なし | 低脂肪乳無脂肪乳 |
乳飲料 | 生乳+乳製品+乳製品以外のもの | 規定なし | 規定なし | 規定なし | 3.0%以上 | 果汁・コーヒー入り飲料 |
「牛乳」を区分すると、上の表のようになります。
生乳・乳固形分・乳脂肪分・無脂乳固形分の割合で牛乳の区分が決まります。
表に記載されている語句の意味を下記にまとめています。
引用元:厚生労働省 乳等省令における規定(食品衛生法)
- 「生乳」とは、搾取したままの牛の乳をいう。
- 「牛乳」とは、直接飲用に供する目的又はこれを原料とした食品の製造若しくは加工の用に供する目的で販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。以下同じ。)する牛の乳をいう。
Rumi
牧場で絞ったばかりの乳が生乳で、スーパーの売り場にあるのが「牛乳」です。生乳は殺菌が必要のため、直接販売ができません。殺菌加工されたものが市場に陳列されます。
乳固形分に無脂乳固形分を除いたもの
Rumi
成分無調整牛乳(一般的な牛乳)は、乳脂肪分3.0%以上です。脂肪分が3.0%より低い牛乳は、ヨーグルトの仕上がりがゆるくなります。
乳固形分から乳脂肪分を除いたもの。
たんぱく質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどを含む。
Rumi
加工乳は、生乳100%で作られていませんが、無脂乳固形分が8.0%以上が条件です。
牛乳から水分を除いた全栄養成分。
乳脂肪分と無脂乳固形分をあわせたもの。
Rumi
「牛乳」の区分の中で、乳飲料のみ乳固形分に条件があります。
分類された「牛乳」について、今から詳しくお伝えします。
成分無調整牛乳
一般的に「牛乳」は、成分無調整牛乳のことを言います。
種類別に「牛乳」と記載されていれば、成分無調整牛乳です。
生乳の成分を調整しないまま殺菌し、パック詰めしたもので、最も生乳に近い味です。
Rumi
脂肪分が高く、ヨーグルトづくりに向いている牛乳です。
成分調整牛乳
成分調整牛乳とは、生乳から乳脂肪分などの一部を取り除き、成分を調整したもの。
一般的な牛乳とのちがいは、乳脂肪分の量に決まりがないのが特徴です。
Rumi
乳脂肪分の量が明確ではありません。けど、牛乳っぽさを失わず、スッキリした味のものが多いです。
低脂肪牛乳
低脂肪牛乳は、成分調整牛乳と同様に乳脂肪分を除去します。
けど、乳脂肪分0.5%以上 1.5%以下と規定があります。
Rumi
脂肪分が、成分無調整牛乳の半分かそれ以下になります。脂肪の摂取が気になる方向けの牛乳です。
無脂肪牛乳
成分調整牛乳と同様に乳脂肪分を除去するが、低脂肪牛乳よりさらに脂肪を除去したもの。
乳脂肪分0.5%未満のものを言います。
加工乳
生乳と牛乳(または乳製品)を添加して加工したもの。
乳製品は、脱脂粉乳やクリーム、バターなどがあります。
乳脂肪分の規定がなく成分調整牛乳と混同しがちですが、生乳の割合が大きく異なります。
乳飲料
生乳に乳製品を加え、さらにビタミン・ミネラル・カルシウムなどの栄養分や、コーヒーや果汁を添加したもの。
牛乳を再現したものや甘味や酸味があるものまで幅が広いのが特徴です。
種類の異なる「牛乳」ごとにヨーグルトを作ってみた結果
以下の「牛乳」を、ヨーグルトメーカーにセットして、ヨーグルトを作った結果をご紹介。
- 成分無調整牛乳
- 成分調整牛乳
- 加工乳
- 乳飲料
- 低脂肪牛乳
- 低脂肪乳
- 豆乳
成分無調整牛乳
成分無調整牛乳をヨーグルトメーカーにセットして、ヨーグルトを作った結果です。
ヨーグルトメーカーで使用する牛乳として推奨するのは、成分無調整牛乳です。
ヨーグルトメーカーとは、どんな機械なのかはこちらの記事をご覧ください。
成分調整牛乳で作ったヨーグルト
成分調整牛乳をヨーグルトメーカーにセットして、ヨーグルトを作った結果です。
成分無調整牛乳で作ったヨーグルトと比べ、トロミがゆるく、ややムラのある仕上がりです。
成分調整牛乳と成分無調整牛乳、漢字が一文字しか違うため、よく表示を見ないと買い間違えてしまうことがあります。
加工乳で作ったヨーグルト
加工乳をヨーグルトメーカーにセットして、ヨーグルトを作った結果です。
あちゃ・・・失敗しちゃいましたね。トロミがなく、ザラザラした液体のような仕上がりです。
捨てちゃうのは・・・もったいない。
乳飲料で作ったヨーグルト
乳飲料をヨーグルトメーカーにセットして、ヨーグルトを作った結果です。
使用した牛乳は、雪印メグミルクさんの「毎日骨太」。
希少なたんぱく質MBPと、カルシウム、ビタミンDが添加されている乳飲料です。
固まっているように見えますが、成分無調整牛乳より水っぽい感じのゆるいヨーグルトになりました。
雪印メグミルクさんの「特濃」は、脂肪分の比率の高い乳飲料です。
「特濃」を使用した場合、こんなにトロミのあるヨーグルトになりました。
低脂肪牛乳・低脂肪乳で作ったヨーグルト
低脂肪牛乳をヨーグルトメーカーにセットして、ヨーグルトを作った結果です。
見た目はよく固まっているように見えますが、やや柔らかい感じです。
低脂肪乳の場合、低脂肪牛乳のように柔らかめですが、水っぽい印象。
すくったときにボタボタとこぼれてしまい、容器に滴り落ちてしまいました。
【番外編】豆乳で作ったヨーグルト
豆乳をヨーグルトメーカーにセットして、ヨーグルトを作った結果です。
使用している原料は、牛乳ではありません。同じ乳でも、植物のお豆の乳。
豆乳でヨーグルトを作ると、お豆腐のようによく固まっているように見えます。
Rumi
味の感想は、各記事をご覧くださいね。
「牛乳」の種類は多いけど、成分無調整牛乳が生乳に近い
牛乳は、スーパーに行けば9割以上の高確率で入手することができます。
けど、使用頻度が高い割に価格が高いのがデメリットです。
- たくさん飲むから安いものがいい
- 牛乳苦手だから牛乳っぽくない薄味のものがいい
- 成分違っても牛乳は牛乳だから、できるだけコストを抑えたい
さらに、ヨーグルトを手作りするとなると、牛乳の種類によって固まり方が異なります。
固まり方の違いを知り、お口に合うヨーグルトをつくるための牛乳選びが重要です。
成分無調整牛乳が最も美味しく仕上がりますが、価格や栄養面、嗜好などで他の区分の牛乳を選ぶのも、良いかと思います。
ちなみに、我が家で使用しているヨーグルトメーカーは、こちら。
種菌は、LG21などのヨーグルト飲料を使用しています。
Rumi
お好みの「牛乳」を選んで、ヨーグルトメーカーであなたのお口に合ったヨーグルトを作ってみてくださいね。