冬に食べたいものといえば、カニですよね。
年末年始になると、スーパーにズラッと冷凍カニが並びます。
カニが食卓に並ぶと、一気に華やかな雰囲気になります。
「スーパーで買った冷凍カニを解凍すると、パサパサでおいしくない!」
と思っていませんか?
お店で食べるカニはプリプリでジューシーなのに、家で食べるとおいしくならない・・・
そんな悩みを持つあなたに、おいしいカニの解凍方法を教えます。
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Rumi
近年の冷凍技術はすごくて、カニの風味や鮮度をしっかり保てています。
正しい解凍方法を知っておきましょう。
スーパーで冷凍カニを買ったら?解凍でしてはいけないこと
以下の解凍方法で、冷凍カニの解凍でしてはいけないものがあります。
なかにはOKの解凍方法もありますが、注意点があります。
- 冷凍のまま使用する
- 常温自然解凍
- 流水解凍
- 電子レンジで解凍
- 半解凍のまま使う
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Rumi
カニはデリケートな食材です。解凍方法ごとにひとつずつお伝えします。
冷凍のまま使用する
冷凍のまま直接お鍋に投入すると、パサつきの原因になります。
お鍋や味噌汁を作るときにやってしまいがちです。
直接熱で加熱しようとすると、一気に水分と旨味が飛んでしまいます。
「解凍せず、そのまま加熱してください。」
と、冷凍食品の解凍でよくある方法ですが、くれぐれも冷凍カニの調理でしないようにしましょう。
常温自然解凍
カニは、急な温度差で品質が低下しやすい食材です。
冷凍庫から出して常温で解凍してしまうと、旨味成分が流れ出したり、細菌が繁殖する可能性があります。
自然解凍は、温度が高くなりやすく解凍が進行しやすいため、後ほど紹介する黒変の原因になりやすいです。
流水解凍
流水解凍は、カニの解凍方法でよく使われます。決して間違いではありません。
けど、難易度が高いです。
水の温度が高すぎると、カニの表面が熱くなり、旨味成分が流れ出してしまいます。
水の温度が低すぎると、カニの中心部が解凍されず、食感にムラができやすくなります。
冷凍カニを流水解凍をするときは、ビニール袋に冷凍カニを入れて、水温15℃を保ちます。
流水解凍の時間は、カニの大きさや個数によって異なりますが、一般的には30分~1時間を目安にしましょう。
長時間の流水解凍は、カニの品質を落とす原因になるので、NGです。
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Rumi
流水解凍は、短時間で効率的な方法です。
時間がないときの最終手段にしたほうがいいでしょう。
電子レンジで解凍
残念ですが・・・冷凍カニは、電子レンジの解凍に適していません。
解凍温度の高い電子レンジで解凍すると、カニの表面が熱くなりやすく、品質低下を招きます。
そのため、カニの旨味成分が流れ出し、肉質がパサついてしまいます。
電子レンジで解凍すると、表面だけが解凍され、中心部は凍った状態です。
表面の水分が蒸発され、風味が損なわれたり、食感が悪くなります。
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Rumi
電子レンジは手軽で便利な方法だけど、カニの風味を悪くしてしまう可能性があります。
やめておいたほうが無難です。
半解凍のまま使う
半解凍のままで使うのも、間違いではありません。
けど、焼きガニやカニの唐揚げを作るときは、半解凍をおススメしません。
半解凍の状態は、中心部が凍っているため、加熱ムラの原因になります。
焼いたり揚げたりすると、水分が奪われるため、カニの身がパサつきやすくなります。
逆に完全解凍をしてしまうと、水分が流れ出てしまいベチャベチャな身になってしまいます。
品質が落ちやすく、うま味が逃げてしまうため、注意しましょう。
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Rumi
お鍋や汁物など、水分を含む調理の場合は、半解凍はOK!
カニで焼き物や揚げ物をするときは、氷を2割、残した状態で、8割を目安に解凍しましょう。
冷凍庫から出したカニを再び冷凍庫へ戻さないでください。
解凍後は、一気に鮮度が落ちてしまいます。食べるぶんだけ都度解凍しましょう。
解凍したカニは、遅くとも2日以内に加熱をして食べ切りましょう。
冷凍カニをみずみずしく解凍するためのポイント!
冷凍カニの解凍のポイントをまとめます。
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Rumi
冷蔵庫の低温でじわじわと解凍することで、カニの風味や食感を損なわずに解凍できます。
- 手足のみ:12時間前後
- 甲羅ごと:18時間〜24時間
カニの形や大きさ、冷蔵庫の機種や温度環境によって異なりますが、最低半日〜1日必要です。
食べる時間から逆算して、計画的に解凍していきましょう。
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Rumi
ズワイガニより大きい毛ガニやタラバガニは、解凍時間が長くなります。
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カニを解凍する時間が長くなると、表面が黒く変色することがあります。
この変色は、「黒変」とよばれるもので、生のカニを解凍したときに発生します。
少し見た目が悪くなりますが・・・味や品質に影響はありません。
カニのタンパク質の「チロシン」が酵素と結びつき、酸化して「メラニン色素」に変わったため、カニの身や甲羅が変色してしまいます。
カニの解凍は、氷が2割程度に残るのを目安に。長く解凍しすぎないよう注意しましょう。
冷凍カニは、冷凍の状態でおよそ1ヶ月間保存できるものもあります。
冷凍とはいえ、時間の経過とともに味落ちしやすいです。
保存期間内で傷みがなければ食べることができます。
もし、味や外観に違和感を感じた場合、傷んでいる可能性があります。食べないで破棄してください。
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Rumi
冷凍庫の開け閉めをくりかえしたり、他の食材を出し入れすると、温度の変化で劣化しやすくなります。お早めに食べ切るのが一番です。
スーパーの冷凍カニを実際に解凍してみる
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では、実際にスーパーで購入した冷凍のズワイガニの足で解凍してみましょう。
午前9時ごろに解凍を始めました。
発泡トレイから出し、バットに移します。
バットに重ならないように、まんべんなく並べます。
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Rumi
氷の膜で覆われているのは、「グレイス処理」とよばれる旨味の流出や冷凍焼けを防ぐための加工です。
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キッチンペーパーで覆います。
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さらに新聞紙で包みます。
※使用している新聞紙が地方の広報紙のため、新聞紙にモザイクかかっています。
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さらに、大きめのビニール袋!
カニは解凍すると水分が出てきます。
そのまま冷蔵庫に入れると、水分が冷蔵庫内にこぼれたり、他の食材に付着したりする可能性があります。
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冷蔵庫に入れて、半日ほど解凍します。
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Rumi
氷が2割残るまで、様子を見ながら解凍しましょう。
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夕方5時ごろのカニの様子です。新聞紙に水をたっぷり吸い柔らかくなっていました。
キッチンペーパーは、べちょべちょに濡れてしまっています。
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Rumi
表面が濡れてしまうのは、グレイス処理された氷の膜が溶けたからです。
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解凍されたカニはこちら。
表面に溶けかけの氷が残ってて、ぷるんと水分がうるおっているかのように見えます。
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Rumi
表面に氷の粒が残ってて、今が食べごろのように感じます。
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焼きガニを作ったときの様子です。
弱火でじっくり6分焼いて、強火で1分焼きました。
加熱をすると、ギューっと身が盛り上がってきます。
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解凍して焼いたカニはこんな感じです。
加熱ムラがなく、パサつかず、水分が程よく残った仕上がりになったかと思います。
冷凍カニの解凍はあせらずゆっくり計画的に
冷凍カニをおいしく解凍方法するコツを紹介しました。
冷凍カニは、冷蔵庫で低温でゆっくりと解凍するのがおすすめです。
時間をかけることはちょっと面倒・・・ですが、決して焦ってはいけません。
カニの解凍方法によって、味や食感が変わります。
解凍したカニは、お早めに。加熱調理することを忘れずに。
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Rumi
カニの解凍方法をマスターして、冬の食卓を華やかにしましょう。