日本人のソウルフードといえば、やっぱりお米ですよね。
食べやすくてコロンとしたおにぎりを見ていると、なんだか あたたかい気持ちになります。
忙しくて食事をパパッと済ませたいときや、お天気のいい日に外でランチをするときににおにぎりは大活躍。
みなさんご存知の日本昔話「おむすびころりん」で登場するように、古くからおにぎりを持ち歩く文化がありますね。
夏の暑い時期のおにぎりは、食中毒菌の温床になってしまうことも。
ご飯ものなどでんぷん質に発生しやすい「黄色ブドウ球菌」の食中毒は、毎年5~8月に集中しやすく、その原因の多数がおにぎりという結果です。
お手軽簡単、気持ちを込めてぎゅーっと握ったおにぎりが原因で、お腹を壊してしまうなんて避けたいものです。
Rumi
行楽シーズン、楽しい思い出作りに、おにぎりを持ち運ぶときにに注意することをまとめておきますね。
おにぎりを作る際に注意することは
おにぎりを作るときに注意するポイントを5つに分けてみました。
「なんだ当たり前のことじゃん!」
と思ってしまうけど、忙しくなると当たり前なことほど、ついうっかり見落としがちです。
短くポイントをまとめましたが、この5つのポイントを頭の中に意識しておきましょう。
このポイントをもとに、今から詳しくお話ししていきます。
1 .お米と具材の鮮度
時間経過したものを口にする場合は、とにかく鮮度が命です。
食べ物が傷むのは、肉や魚、生野菜のようなナマモノだけではありません。
空気に触れた食材であれば、時間の経過で鮮度が落ちてしまいます。
おにぎりはたくさんの水分を含んでいるため、とても傷みやすい食材です。
ご飯は当日炊いたものを用意し、具材も新鮮なものを用意しましょう。
2. あたたかいうちに素早く握る
「当日ご飯を炊くなんて・・・そんな時間ないわ!」
「昨日の夕食のご飯余ったけど使っちゃダメなの?」
当日の朝にご飯を炊くってことの方が少ないですよね。
もちろん、当日ご飯を炊くことが厳しい場合は、前日の残りものを使っておにぎりを握っても問題ありません。
そのときに注意することが2つ。
- 必ずご飯を再加熱をすること
- 前日のうちに作り置きを避け、必ず当日握ること。
菌の多くを死滅させる方法として、75℃以上温度で1分以上加熱することが有効です。
美味しいおにぎりを握るポイントは、ご飯が熱いうちに早めに握り終えること。
迅速に握る理由は、作っている最中も空中に菌が飛んでいることがあるからです。
おにぎりは水分が多く空気に触れやすいため、時間の経過とともに細菌が増殖しやすいです。
作り置きをしたくなる気持ちはわかりますが、おにぎりの作り置きは絶対に避けてください。
炊きたてのご飯をいきなり握るのは火傷してしまいますので熱いお茶を飲むぐらいの温度(60℃程度)を目安に、必ずボウルに移して粗熱をとってから握るようにしましょう。
もう一度言いますよ。
おにぎりの作り置きは厳禁ですよ!
必ず当日握るようにしましょうね。
3.傷みにくい調理法で
新鮮なお米や具材を使うことに加え、調理によって傷みにくくする方法があります。
- 水分を少なくする
- 塩気を足す
- 殺菌作用の食材を使う
おにぎりを握るときに使う塩の量は、「ちょっとしょっぱいな」と気持ち感じるくらい、濃いめで握ります。
市販の寿司酢を使用して酢飯のおにぎりにすると、より殺菌効果が期待できます。
海苔を巻くことは、ご飯の水分を海苔が吸うことになりおにぎりを傷める原因になります。
必ず食べる直前に巻くようにしましょう。 持ち運ぶ際は小分けになっている海苔を用意しておくといいですね。
補足
おにぎりの具材は、塩気があるもの、酸味があるものを使うとよいでしょう。
- 梅干し
- 塩鮭
- 焼きたらこ
- こんぶの佃煮 など
梅干しは殺菌効果があり、食中毒菌の繁殖を阻止することができます。 中心に1つ置くのみですとその周辺にしか効果があらわれません。 全体に具がいくように使用することがおすすめです。
注意
混ぜご飯や炊き込みご飯は、菌が空気に触れやすいため食中毒になりやすいです。避けておいたほうがいいでしょう。 梅干しなど具材を混ぜる際は軽く手早く混ぜるよう心がけましょうね
4.清潔を意識して直接手に触れない
おにぎり作りの前は手を洗う。
「当たり前でしょ!」と思いますね。大事なことだから注意する点があります。
「手を清潔にしているから大丈夫!」と思って素手でおにぎりを握ることは、控えましょう。
必ず使い捨て手袋またはラップで握るようにしましょう。
「素手で握るからこそ、愛情こもっているんだー!」
こだわりたくなりますが、食べる人がお腹を壊さないよう衛生管理をすることもひとつの愛情表現です。
清潔な手だけでなく、ボウルやしゃもじなどの調理器具も同じです。
必ずよく洗って乾燥させたものを使用しましょうね。
5.10℃以下で保存
握り終えたおにぎりは、すぐに冷やしましょう。
黄色ブドウ球菌の繁殖しやすい温度は、35〜40℃です。
お風呂に入っているかのように心地の良い温度加減ですよね。 ぬくぬくと人肌温かい温度のまま置いておくと、だんだん繁殖していきます。
温度が10℃以下になると、黄色ブドウ球菌の繁殖がゆっくりになります。
握り終えたおにぎりは、保冷剤や冷凍庫の金属トレーの上に置いて急速に温度を下げていき、繁殖を抑えていきましょう。
ラップまたはアルミホイルに包んで、持ち運ぶ際は保冷剤といっしょに。
市販の保冷バッグやおにぎりケースに入れておきます。
保冷剤は直に入れると水が出てきますのでタオルやハンカチなどに包むとなお良いです。
コンビニのおにぎりの場合はどうする?
手作りおにぎり中心でご紹介していますが、中にはコンビニでおにぎりを買われている方もいらっしゃると思います。
コンビニおにぎりは衛生面を徹底し厳重に管理しておりますが、温度と時間の経過によっては食中毒を招く可能性も十分考えられます。
10℃以下の保存をして、必ず賞味期限内に食べきるようにしましょう。
オフィスの冷蔵庫を利用するか、冷蔵できる環境ではない場合は保冷ポーチを持参しておくなど、工夫をするとよいでしょう。
おにぎりは食べやすいけど、注意すべき食材!
子どもの幼稚園では、季節関係なくお昼ごはんのお弁当におにぎりを握っています。
バラバラと敷き詰めたご飯がうまく食べれないのもあり、夏場もおにぎりで乗り越えています。
もちろん、ご紹介した内容で100%食中毒を防げるわけではありません。
対策どおりにしていても、少し不安なのもあります。
市販の抗菌シートをさらにお弁当に乗せるようにして、ダブルで予防をしておくと安心です。
おにぎりはコンパクトに持ち運べるし食べやすいし、具材を工夫すればバランスよく栄養も摂れます。
ひとまとめにぎゅーっと詰まったご飯をたべて、「午後からまた頑張ろう!」と、元気になりますよね。
ご紹介したポイントをきちんと守って、楽しいレジャーをお過ごしくださいね。