乳飲料の牛乳をヨーグルトメーカーにセットするとどうなる？自家製ヨーグルトを作れるのか実験。

「牛乳より安い、乳飲料でヨーグルトを作ることができないの？」

っていう疑問について、実際に実験してみます。

私たちがよく飲む牛乳は、成分無調整牛乳。ヨーグルトメーカーでヨーグルトを作るのに推奨しています。

けど、もし、お値段お手頃の乳飲料でヨーグルトが作れるのなら、少しだけ節約になりますね。

はたして、乳飲料でヨーグルトを作ると、どのような仕上がりになるのでしょうか。

そもそも乳飲料とは何？他の牛乳との違いは？

「乳飲料」と書かれている牛乳は、スーパーのデイリー売り場にたくさん並んでいます。

たとえば、写真のような雪印メグミルクさんや明治さんの「乳飲料」があります。

• すっきりCa鉄（雪印メグミルク）
• 毎日骨太（雪印メグミルク）
• 特濃（雪印メグミルク）
• ミルクラブ（明治）

など。

乳飲料の定義は、こちら。

「乳飲料」とは、生乳、牛乳若しくは特別牛乳又はこれらを原料として製造した食品を主要原料とした飲料であつて、第二項から第十一項まで及び第十三項から前項までに掲げるもの以外のものをいう。

引用元：厚生労働省 乳等省令における規定　第二条41項（食品衛生法）　

規定の条文のすべての項目を挙げると、とても長くなるので、私の言葉で言い換えましょう。

「乳飲料」は、生乳（牛乳または特別牛乳）を原料とした飲料で、第２項から第40項まで挙げられた「牛乳」や乳製品（クリーム、バター、チーズ、アイスクリーム類、練乳など）に該当しないもの。

乳飲料の成分については、こちらに記載があります。

「乳飲料」とは、乳等省令第２条第 41 項に規定する乳飲料であって、重量百分率で乳固形分 3.0％以上の成分を含有するものをいう

引用元：飲用乳の表示に関する公正競争規約及び同施行規則（全国飲用牛乳公正取引協議会）

乳固形分とは、牛乳から水分を除いた全栄養成分のこと。

その中に、含まれているのが以下の成分。

• 乳脂肪分：牛乳に含まれる脂肪分
• 無脂乳固形分：牛乳に含まれる脂肪分以外の成分（ビタミン、ミネラルなど）

成分無調整牛乳との違いについては、こちらにまとめています。

乳飲料には、白物と色物の2種類がある

乳飲料の種類は、大きく2種類あります。

白物乳飲料	色物乳飲料
カルシウム、ビタミン、鉄など、特定の栄養素を添加し、栄養価をを強化したもの	果汁やコーヒーなどを足して、ジュースのように飲みやすく加工されたもの

「白物」の乳飲料の特徴は、こちら。

乳製品は、脱脂粉乳やクリームバターなどが使われます。

さらに、カルシウム、鉄、ビタミンDなどの成分を添加し、栄養価を強化することを目的としています。

区分	乳成分	生乳（％）	無脂乳固形分（％）	乳脂肪分（％）	乳固形分（％）	補足
成分無調整牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	3.0%以上	規定なし
成分調整牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	規定なし	規定なし
低脂肪牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	0.5～1.5％	規定なし
無脂肪牛乳	生乳のみ	100％	8.0%以上	0.5％未満	規定なし
加工乳	生乳＋乳製品	規定なし	8.0%以上	規定なし	規定なし	低脂肪乳無脂肪乳
乳飲料	生乳＋乳製品＋乳製品以外のもの	規定なし	規定なし	規定なし	3.0%以上	果汁・コーヒー入り飲料

乳飲料は、生乳１００％ではなく、乳製品とあわせている点が加工乳と同じです。

乳飲料を使って自家製ヨーグルトを作るとどうなる？

乳飲料をヨーグルトメーカーにセットしてみました。

使用した乳飲料は、こちらの２本。

• 毎日骨太（雪印メグミルク）
• 特濃（雪印メグミルク）

「毎日骨太」を使った自家製ヨーグルト

雪印メグミルクさんの「毎日骨太」と明治さんの「LG21」を使用します。

「カルシウムたっぷり。」、「MBP配合」の表示。

乳飲料の特徴、「乳製品以外のもの」が添加されています。

生乳は50%未満のため、生乳100%ではありません。

さらに、乳製品と記載されています。ここまで、加工乳と同じ。

加工乳と違うのは、炭酸Ca、ビタミンDなど、乳製品以外のものが記載されているところ。

ヨーグルトを作る際、100mlほど牛乳を減らし、種菌を加えます。

清潔にしたヨーグルトメーカーにセットして、40℃で8〜10時間あたためます。

成分無調整牛乳より、固まり方がゆっくりめ・・・。

様子を見ながら、12時間ほど放置しました。

12時間後、つるんと固まった感じがします。

すくってみると・・・

ゆるいトロミがあります。

容器に移すと、タラタラ〜・・・と流れ出ていくように入っていきます。

容器に移し終えた様子。

移し終える直前に多量の液体（ホエー）が溜まっていました。

ホエー（乳清）とは、乳脂肪分やたんぱく質以外から分離された水溶液。

ホエーは、ヨーグルトが出来上がるときに生成される成分のひとつなので、異常ではありません。

ホエーが多くなったという意味で失敗してしまったのか？

冷蔵庫で冷やして様子を見て、翌日に食べることにします。

翌朝、冷蔵庫から出した乳飲料（毎日骨太）のヨーグルトです。

ちょっとダマっぽい固形と液体が混じったかのような仕上がりです。

ホエーが溜まってしまったけど、混ぜてみると、ゆるやか〜にまとまりました。

スプーンですくってみると、ポタポタとソースが垂れているかのような柔らかさです。

ポタージュスープのようなトロミで、飲むヨーグルトをスプーンで飲んでいるかのような感じです。

口当たりや滑らかさはヨーグルトっぽいですが、酸味が少ないです。

生乳100%じゃないのか、牛乳特有のコクも控えめ。

ヨーグルトにハチミツやジャムをトッピングすると、甘味が増して、ヨーグルトの味が負けてしまいます。

「特濃」を使った自家製ヨーグルト

次は、同じ「乳飲料」でも、乳脂肪分を増量した乳飲料を使用します。

雪印メグミルクさんの「特濃」を使用して、ヨーグルトを作ってみます。

「特濃」は、乳脂肪分4.3%。

成分無調整牛乳や他の乳飲料と比べて、乳脂肪分が高いです。

原材料は、乳、乳製品とビタミンD。

乳（生乳）の含有量は、記載なし。

仕上がりは、液体っぽさはなく、ベトっとした感じです。

ねっとりとしたトロミで・・・牛乳パックからなかなかヨーグルトが出てきません。

スパチュラでひたすら掻き出していきました。

泡立て過ぎたホイップクリームのように、固くトロッとした感じのトロミができました。

艶やかな見た目で、ホエーの量は少なめ。

食べてみると、

「うむ、濃厚！！！」

ヨーグルトというよりか、甘いミルクっぽい味がします。

あまり酸味は強くない、けど、ババロアのようにぷるんとしたのど越しです。

私個人の感想ですが、

見た目や喉越しなどは、成分無調整牛乳で作ったのとあまり変わりありません。

ハチミツやジャムなどをかけると、よりトロミが増してお腹いっぱいになりやすくなる気がします。

トロッとした喉越しで口当たりが良いですが、酸味が欲しい方にとっては味の好みが分かれるところです。

乳飲料で作ることができるけど、成分無調整牛乳を推奨。

実験の結果、乳飲料でヨーグルトを作ることができました！

失敗かどうかは・・・考え方によって異なるかと思いますが、

まぁ・・・固まりました！！

「特濃」で作ったヨーグルトは、トロミがあり成分無調整牛乳で作ったものに近い仕上がりでした。

栄養価を意識したり、飲む人の好みの味に合わせて作られた乳飲料。

コスパの良さと選択肢が豊富さと、牛乳特有の味が苦手な方にオススメです。

乳飲料の種類の多さに、「間違って買ってしまった・・・」なんて、あるかもしれません。

乳飲料をヨーグルトにしてみたら、「固まるものは固まる」ということをレポートしました。

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