ラフランスは、「果物の女王」とよばれるほど、ジューシーで、甘く、上品な果物です。
けれど、傷みやすい果物でもあります。
ウキウキしながらスパッと切るとびっくり!真っ白なラフランスの断面に茶色い変色が。
「え?腐っちゃったの?」と、心配になってしまいますね。
変色部分だけ取り除くのもひとつの方法ですが、できるだけ廃棄を増やさない方法を紹介。
ラフランスの茶色い変色は、傷んでいるサインなの?
グチャッと柔らかいゼリーのような果肉で茶色っぽく変色が、こんなに!
「あ〜・・・傷んでしまった。捨てるのか・・・」
と、いきなりゴミ箱に持っていかないでください。
ラフランスの茶色い変色は、傷んでいるのではなく、追熟が進んでいる証拠です。
追熟というのは、食べごろになるまで一定期間貯蔵し熟成させること。
バナナやキウイなどを購入してすぐに食べると、甘みが少なかったり身が少しカタイなぁと感じたことありません?
これらの果物は、収穫から購入までの期間を逆算しているため、食べごろになる前のものを販売していること多いから。
15℃〜20℃の常温で数日間置いておくことで、甘みや香りが増して、弾力のある果肉へと変化していきます。
(すべての果物が追熟するわけではありません。パイナップルは追熟しない果物なのでご注意を。)
茶色く変色し柔らかくなり始めたということは、食べごろのピークを過ぎようとしているサイン。
変なニオイやカビが見られない場合、まだまだ遅くはありません。
今食べてしまえば、完熟したラフランスそのものを味わうことができます。
包丁でカットすると、果肉の断面の表面積が広くなります。
空気に触れやすくなるため、その後傷みやすくなります。
追熟の先に待ち受けているものは、腐敗です。
一度にたくさんカットして作り置きをしたり、冷蔵庫の中に入れっぱなしにしないよう注意しましょう
茶色く変色したラフランスの方が向いている美味しい食べ方があります
実は、茶色く変色してしまったラフランスを使って美味しく食べる方法があります。
- 冷凍してシャーベットにする
- 砂糖漬けにしてコンポートにする
冷凍してシャーベットにする
こんなかんじ。シャリっとしてて、シャーベットみたいでしょ?
熟したラフランスを冷凍することで、追熟の進行を止め、濃厚に熟した状態をキープすることができます。
シャーベットの作り方は、カンタン!
半分に割って茶色い変色が見られたら、空気が入らないようラップにピタッと包みます。
フリーザーパックやビニール袋に入れて、このまま冷凍庫へ放置。
一見、食べることを先延ばしにしているように思えますが、二つ割の状態で冷凍することに意味があります。
ラフランスの皮が容器になり、中身をまるごと凍らせるだけで食べることができるので、手間がかかりません!
スプーンですくえる固さになるまで自然解凍した後、種と皮を除き果肉の部分を味わいましょう。
砂糖漬けにしてコンポートにする
コンポートは、たっぷりの砂糖と一緒に煮込む果物の保存方法です。
砂糖漬けにすることで、果肉の中の水分をぎゅーっと閉じ込めることができるため、保存性が増します。
ジャムとか梅シロップとかも、コンポートの仲間ですよね。
ラフランス2個に対し、以下の材料を用意。
- 白ワイン:100ml
- 水:250ml
- 砂糖:100g
- レモン汁:50ml
小鍋にラフランス以外の材料を入れて、沸騰したらカットしたラフランスを入れて弱火で加熱。
沸騰したら出てくる白い泡がアクです。取り除いて落し蓋をして10〜15分中火で加熱します。
粗熱を取って冷まし、冷蔵庫に冷やしながら漬け込めばOK!
ヨーグルトをかけたり、アイスクリームのトッピングにしても美味しいですよ。
ラフランスの食べごろのタイミングは?
ラフランスは食べごろになると、鮮やかな黄緑色から黄色の表皮へと変化します。
ラフランスの軸のまわりを指で軽く押すと、プヨっとした柔らかさと弾力があります。
さらに、軸の周りにところどころシワがありますね。水分がなくなりカラッと茶色い枯れ枝のような軸も見られます。
これらが見られたとき、食べごろのラフランスのサインです。
食べごろのラフランスを食べると、
- 甘味が強くほのかに酸味がある
- 気品あふれる甘い香りがする
- トロっと濃厚な果肉
- 口に含むと、ジュワッと果汁が出てくる
- とろけるようなまろやかな口当たり
うわぁ、・・・ヨダレ出そう!
記事を読んで、食べごろを知っておくだけではもったいないです。
ラフランスを購入するときは、表皮の色と軸の周りの固さをチェックすることから始めてみてください。
ラフランスの保存のコツは、追熟を知ってうまく利用すること
甘みや香り、弾力が増して果物を美味しく変化させる追熟は、良いことだらけですね。
完熟しているラフランスはめっちゃくちゃ美味なのに、食べごろを見逃して傷んでしまうのはとても悲しいことです。
追熟をうまく利用しながら、正しい保存方法を知っておきましょう
完熟前のラフランスは常温保存する
完熟前のラフランスは、鮮やかな黄緑色をしています。
「早く食べたい!」ときは、リンゴやバナナと並べて保存します。
これらの果物に含まれるエチレンガスが強い果物です。
一緒にビニール袋に入れて置いておくことで、追熟が早まりますよ。
食べごろになったら、野菜室に保存
食べごろになると、皮が黄色くなり表面弾力があります。
常温保存をし続けると、最初にご紹介した写真のように、追熟が進みすぎてしまいますので、早めに冷蔵庫へ保存しましょう。
冷蔵庫は野菜室がベスト!カットをせず、丸ごとの状態で保存することで追熟を遅らせることができます。
冷凍や砂糖漬けなどのテクを覚えておくと、ラフランスがたくさんあっても困らない
ラフランスの食べごろと保存方法について紹介しました。
傷んでしまう一歩手前の対策として、冷凍やコンポートにするといった選択肢だってあります。
- 表面が黒っぽかったり白い綿毛のようなものが浮いている
- ラフランスの香りとは違う異臭がする
- 表面が潰れるほど柔らかく、軽く押しても形が戻らない
このような様子が見られた場合、カビが生えていたり腐敗が進行している可能性が高いです。
そのまま食べることはもちろん、調理としてもオススメしませんので、速やかに破棄してください。
ラフランスの食べごろのカギを握っているのが、追熟です。
追熟によって、甘さや香り、柔らかさなどが変化していくということを忘れてはいけません。
そのままはもちろん、冷凍保存や砂糖漬けなど追熟の進み具合で美味しく食べれる調理方法が変わっていきます。