ブラックカレー、美味しいですよね。
ご当地カレーをはじめ、今やブラックカレーも全国に定着してきていますが、実は30年ほど前に「包丁人 味平」という漫画で登場しています。
「包丁人 味平」は、「食戟のソーマ」が人気の週刊少年ジャンプ掲載で、料理漫画の大先輩。
登場したブラックカレーは物議を醸した伝説の回で、数ある料理漫画の中で未だかつて超えたものがありません。

出典元:包丁人味平 (原作:牛次郎 漫画:ビッグ錠)

出典元:包丁人味平 (原作:牛次郎 漫画:ビッグ錠)

出典元:包丁人味平 (原作:牛次郎 漫画:ビッグ錠)
え!国民的料理カレーライスから、まさかの神発言?!
こら、テーブルの上で踊るんでない!
規制がない時代の漫画だから、もう何でもありな感じですね。
ブラックカレーを食べるばっかりでおうちで作ったことがない私が、「最狂・・・」ではなく最高に美味しくなりますようにという意味を込めてチャレンジ。
すべてのカレーが美味しく笑顔溢れるものになりますように。
もくじ
最高に美味しい?ブラックカレーに挑戦してみた
まずは、出来上がりからどうぞ。

はい、黒いです。ここまで黒くしました。
着色料をいれたわけでも何でもありません。
スーパーに販売されている食材を使って再現しました。
ブラックカレーは、スパイスを含めたくさんの材料を使用します。
スーパーの規模によってスパイスの品揃えがバラバラなので、お近くのスーパーで見つからないときはネット通販を使うとよいでしょう。
カレーで使用するスパイスを楽天市場でチェック!使用したスパイスは以下のとおり。
香りをつけるスパイス
- クミン:小さじ2
- コリアンダー:小さじ2
- カルダモン:小さじ1
- シナモン:小さじ1/2
- グローブ:少々 ※なくてもOK
- ナツメグ少々 ※なくてもOK
色をつけるスパイス
- ターメリック:小さじ2
辛味をつけるスパイス
- ガラムマサラ:小さじ1
- チリパウダー(カイエンペッパー):小さじ1/2
- ブラックペッパー:少々
ガラムマサラは、シナモン・グローブ・ナツメグ・(メーカーによってはクミンやカルダモン)を主体にしたミックススパイスです。
辛味と香りを両方足すことができます。
ガラムマサラで片付くので、スパイス代節約したいときはグローブとナツメグを端折ってもOKです。
- 玉ねぎ:2個
サラダ油:大さじ4 - 牛肉(ももブロック):300g
サラダ油:大さじ1 - にんにく:1〜2片
- 生姜:1〜2片
- 小麦粉:30g
- 赤ワイン:200ml
- 水:500ml
- ローリエ:1枚
- マンゴーチャツネ:10g
- コンソメ:10g
- チョコレート:10g
- ヨーグルト:100ml
- はちみつ:大さじ2
- 砂糖:大さじ1
- ウスターソース:大さじ1
- しょうゆ:大さじ1
- インスタントコーヒー:小さじ2
- 塩:小さじ2
- バター:10g
以下の3つの工程を同時に行います。
- みじん切りの玉ねぎをじっくり炒め飴色にする
- スパイスを焙煎する
- 牛肉を煮込む
コンロが3つあると便利です。
ない場合は手間がかかるのですけど、ひとつひとつ地道に行いましょう。
IHクッキングヒーターをお持ちでしたら使うと便利です。
玉ねぎをじっくりと炒めて飴色にします

玉ねぎ2個としょうが、にんにくを1かけずつ用意。

サラダ油(大さじ4)を引いて温めた鍋に、みじん切りにした玉ねぎを飴色になるまで弱火でじっくりと炒めます。
イチから飴色玉ねぎを作るとなると、約60分ほどお時間いただきます。
- みじん切りにした玉ねぎを電子レンジで温めておく
- 事前に冷凍庫でみじん切りの玉ねぎを冷凍しておく
このどちらかの方法を行えば、短時間で飴色になりますよ。

これくらい飴色になればOK!
このままで食べちゃいたくなるほど、綺麗な色でそそります。
みじん切りにしたにんにくとしょうがを加えて、さらに炒めておきましょう。
スパイスを焙煎します

全てのスパイスと小麦粉30gを乾いたフライパンに入れます。
フライパンは、油分や水分が付いていないものを使用してください。(油を引くのは不要です。)

このように、チョコレートのような濃い茶色になればOKです。
このまま冷ましておきます。
細かい粉末に長い時間火が当たっている状態です。
進行とともに粉末が黒ずんだり火が移ることがあります。
他の作業をしている際は、こまめに混ぜて火の側から離れないでください。
火を止めた後も時々混ぜて、完全に冷めるまで注意を払うようにしてください。
牛肉を煮込みます

うわぁお、美味しそう。
このままステーキにしちゃいたいです。
おっと、失礼。牛肉を煮込む時に使用する材料はこちら。
- 牛肉(モモ塊):300g
- 塩こしょう:少々
- ローリエの葉 1〜2枚
- 赤ワイン:200ml
- 水:500ml

フォークでプスプス刺して、筋切りをします。

一口大の大きさに切り、塩こしょうを振って、下味をつけておきます。
温めたフライパンにサラダ油を引き、こんがりと色づくまで炒めていきます。

ワインと水、ローリエの葉を加え、中火で40分煮込みます。

アクがなくなり、牛肉を歯で噛めるくらいの柔らかさになればOKです。
炒ったスパイスと煮込んだお肉を玉ねぎの鍋へ投入

玉ねぎとスパイスを混ぜていきます。
炒ったばかりのときはチョコレートのような色だったんだけど・・・

玉ねぎと合わせた途端、こんなに真っ黒けになりました。

ここで甘みを加えていきます。
市販のマンゴーチャツネを加えます。

牛肉を煮込んだときに使用した煮汁で伸ばしながら、スパイスを溶かしていきます。

仕上げの味付けたちはこれ。
カレーに入れると美味しい言われる調味料たちを寄せ集めてみました。
- ヨーグルト:100g
- チョコレート:10g
- コンソメ:10g
- 砂糖:大さじ1
- ウスターソース:大さじ2
- しょうゆ:大さじ2
- はちみつ:大さじ2
- 塩:小さじ2
- インスタントコーヒー:大さじ1

全て加えて弱火でさらに10分煮込み、仕上げにバターを溶かして混ぜると完成です。

ご飯をお好みの量よそって・・・
ん?Rumiさん、何を加えているんでしょうか。
当ブログの筆者が意図的に何か調味料を加えています。

さきほどの”謎の粉末”を隠すかのようにブラックカレーをかけていきました。


「ごはんですよ」を1瓶ぶっかけたような見た目と色ですが、風味はまさにカレーです。
酔いしれるほど旨いものに仕上がっているのでしょうか。
家族にブラックカレーの感想を聞いてみた結果

子どものは”謎の粉末”を加えずに、チョコと蜂蜜の量を増やしています。
夫は好き好んでおかわりしてたけど、残念ながらうちの子たちに不評でした。
子どもの舌の鋭さには、カレーの神様もさぞ驚いていることでしょう。
(大好きなカレーなのに、記事のために付き合ってもらい申し訳ない。)
そもそもブラックカレーが黒い理由は?

金沢ブラックカレーっぽくしてみた
- 玉ねぎを長時間炒める
- スパイスを長時間炒める
- 牛肉をワインでコトコト煮込む
- 濃い調味料を使う(赤ワイン、しょうゆ、ソース、コーヒー)
ブラックカレーを作るとき、このような調理工程で行いました。
これら、すべてメイラード反応という化学反応です。
ブラックカレーが黒い理由は、メイラード反応を生かしたものだと思われます。
メイラード反応(メイラードはんのう、Maillard reaction)とは、
還元糖とアミノ化合物(アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質)を加熱したときなどに見られる、褐色物質(メラノイジン)を生み出す反応のこと。褐変反応 (browning reaction) とも呼ばれる。アミノカルボニル反応の一種であり、褐色物質を生成する代表的な非酵素的反応である。
※Wikipediaより抜粋
食品や調味料中に含まれるアミノ酸が熱と反応し、メラノイジンという色素が発生し香ばしい香りを生み出すことができるのです。
パンやホットケーキの色や赤身のお肉が茶色く変わるのも、メイラード反応によるものですよ。
で、さっきの”謎の粉末”は何なのよ?
はい、お待たせしました。”謎の粉末”の正体をお教えします。
これを使いました。

- 粉山椒
- 七味唐辛子
七味唐辛子の原料
唐がらし、ごま、山椒、陳皮(みかんの皮)、ケシの実、青のり、生姜
このように記載されていますが、ケシの実はアヘンのことです。
アヘン(阿片、鴉片、opium)は、ケシ(芥子、opium poppy)の実から採取される果汁を乾燥させたもので、いわゆる麻薬である。ケシの実から採取されるアルカロイドはオピエートと呼ばれ、そこから合成されるものがオピオイドである。麻薬(narcotic)とは、本来このようなオピエートやオピオイドを指す。ケシから採取されたアルカロイドや、そこから合成される化合物は、鎮痛、陶酔といった作用があり、また高用量の摂取では昏睡や呼吸抑制を引き起こす。
※Wikipediaより抜粋

出典元:包丁人味平 (原作:牛次郎 漫画:ビッグ錠)
いきなりカレーの神様発言で騒ぎ出した結果、救急車で運ばれることに。

出典元:包丁人味平 (原作:牛次郎 漫画:ビッグ錠)
大騒ぎをしてしまった理由はここにありました。

出典元:包丁人味平 (原作:牛次郎 漫画:ビッグ錠)
何十年もスパイスを嗅ぎつづけてきた鼻田氏も、スパイスの嗅ぎすぎで中毒を疑う場面がありました。
中毒を起こすスパイスのうち、もしかしたらケシの実も使われていたのかもしれません。(あくまで憶測です。)
作中に何のスパイスが中毒性が高いとかは書かれていませんが、何千ものスパイスを嗅ぎ分けられることができるんだからね。
四六時中 相当な数のスパイスとお付き合いしていたのでしょう。無理もないです。
ケシの実は、洋名「ポピーシード」と呼ばれ西洋料理などで使われています。
アンパンのトッピングにある小さな粒もケシの実です。
七味唐辛子に含まれるケシの実と山椒の刺激的な清涼感を利用して、”私なりの中毒”を再現してみました。
救急車で運ばれたりすることはありませんので、ご安心ください。(かけすぎにご注意ください。)
※市販のケシの実は食用で加熱処理を行い徹底的に加工されているものです。安心してお召し上がりください。
特有の苦味と辛さがあるおとなのカレーです。
スパイスをイチから使用し焙煎しているため、スパイス特有の風味や辛味があります。
長い時間炒ったものだから少し苦味も出てきます。
メーカーさんのカレールーのカレーに慣れている方やお子様にウケるかどうかは、分かれるところです。
じっくり時間をかけて炒めた玉ねぎやスパイスの旨味や深みを直に感じることができたので、作った甲斐がありました。
ブラックカレーを作って、あなただけのカレーの神様を降臨させてみてくださいね。
カレー食べた後、ヨーグルト食べたくありませんか?
そのまま食べても美味しいし、カレーの隠し味にも。
ヨーグルトメーカーを使えば、機械ひとつで牛乳パック1箱分のヨーグルトが作れて、コスパ抜群です。