プリっとジューシーな唐揚げに、サックサクのトンカツ。
美味しい揚げ物を作るために、新鮮な揚げ油は必需品。
カラッと揚げることができるのは束の間、時間が経つと・・・揚げ油は疲れてしまいます。
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2020/06/unnamed-5.jpg” name=”お困りママ” type=”l”]同じ油で何度も揚げると油が疲れてしまい、色やニオイ、粘りなどが変化しますよね?疲れた油を使いまわして大丈夫かしら?[/voice]
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2022/04/unnamed.jpg” name=”Rumi” type=”r”]疲れた油は、酸化している状態で、体によくありません。油が酸化しないようムダなく使い、正しく保管することが大切です。[/voice]
「使いまわさないと、もったいない!」
残った揚げ油を見て感じる一方で、酸化した油を再び食べるのは有害ではないかと怖く感じますね。
油の使いまわしの注意点とエコな使い方をまとめておこうと思います。
油の酸化の原因は?
油の酸化とは、加熱した油が空気中の酸素と反応し、性質が劣化することを言います。
揚げ物の温度は、170℃~180℃と高温。
トンカツ1枚揚げあがる時間が8分だとすると、多くの熱と酸素に油が8分間触れることになります。
トンカツ1枚揚げると、揚げ油の量が減るため、新しい油を継ぎ足し、再度揚げ物を繰り返すかと思います。
揚げ物を終えた後、オイルポットに入れ、保管されている方も多いでしょう。
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油を揚げ物に使い、残った油を保管すると、空気中の酸素や光、熱などの作用により、酸化が進んでいきます。
ところで、揚げ油で使うサラダ油の頻度、あなたはどれくらいですか?
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1週間に1回?1ヶ月に1回?
1回揚げ物に使った油を、次回も揚げ物で使いまわすとなると、1週間?1ヶ月?開くことになりますよね。
酸化した油は体に悪い?食べてはいけない理由
とても怖い話、酸化した油を摂取し続けると、以下の症状があらわれるリスクが高まります。
- 動脈硬化
- 肝機能障害
- 脂肪肝
- 認知症
- 食中毒症状(下痢・腹痛・嘔吐など)
高温に加熱された油が劣化することで、過酸化脂質という物質が作られます。
血管に入った過酸化脂質は、肝臓で分解され、血管を通り全身へ運ばれます。
体内に過酸化脂質の量が増えると、運搬組織の血管や肝臓に負担が増え、機能が弱くなってしまいます。
油の多い食事に多く含むのがLDLコレステロール。
別名、悪玉コレステロール。健康番組でよく登場する血液ドロドロの原因物質です。
過酸化脂質が加わると、酸化LDLコレステロールに変化します。
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2020/06/unnamed-5.jpg” name=”お困りママ” type=”l”]血液ドロドロの原因は、LDLではなく、酸化LDLなんですね?[/voice]
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2022/04/unnamed.jpg” name=”Rumi” type=”r”]悪玉とか言われると悪いものに聞こえますが、LDLそのものは、体内の脂肪分を全身へ運ぶのに必要なコレステロールです。[/voice]
レストランやファストフード店では、大人数に食事提供をするため、油を使いまわすことが多くなりますね。
もちろん、少人数の家庭料理だったら安心というわけではありません。
油を使いまわすときは酸化を招かないよう注意が必要です。
酸化した油の特徴と見分け方
「酸化した油、ゼッタイ食べたくない!」
揚げ物を美味しく食べて、元気な毎日を過ごしたいあなたへ。
油の酸化の見分けるポイントを5つ挙げました。
- 色
- 気泡
- ニオイ
- 煙
- 粘り
色
酸化した油は、お鍋やフライパンの底が見えなくなるほど、濁った色に変化しています。
加熱する前の揚げ油は、透き通った薄黄色。加熱をすると濃い黄色、加熱を繰り返すと茶色へと変化します。
気泡
シュワシュワと細かい泡がたくさん立っている場合、油が劣化しているサインです。
菜箸で混ぜても泡が残り、食材が見えなくなるほど細かい泡が広がっている場合、油がとても疲れています。
ニオイ
- 前回揚げた食材のニオイ
- 焦げくさいニオイ
- 油っぽいニオイ
このようなニオイが強い場合、使い続けるのはNG。油のニオイは、その後の仕上がりや味に影響します。
煙の立ち方
油を火にかけたとき、食材を入れる前から煙が立ちのぼった場合、油が疲れています。
衣がカラッと揚がらなかったり、表面だけが焦げ中身が生焼けになることも多く、美味しく仕上がりません。
粘り
ドロッとした粘りのある油は、使い始めてから時間が経っています。
加熱前の新しい油を観察すると、サラッと流れるような澄んだ液体をしていますよね。
オイルポットの油を使いまわす時、ニオイや色に問題がなくても、粘りが出ている場合があります。
継ぎ足して使うと粘りがゆるくなり再利用しやすくなりますが、違和感があれば無理して使わないようにしましょう。
油の酸化を防ぐための揚げ油の使い方と保存のポイントは?
揚げ油の正しい使い方と保存のポイントは、
- 揚げる食材の順番で温度を保つ
- 鍋底に沈んだ天かすやパン粉を取り除く
- オイルポットに入れて保存する
- オイルポットに濾過した油は早く使い切る
- 鉄製の鍋は高温になりやすいので注意する
揚げる食材の順番で温度を保つ
油の酸化を早めないポイントは、油の中の温度を均一に保ち、高温になりすぎないこと。
低温で火の通りやすい食材から順に揚げると、油の急激な温度変化を抑えることができます。
淡白な野菜やポテトから揚げ始め、その後、厚手のトンカツ、味のついた唐揚げを揚げます。
揚げ油に適した温度は、160~180℃。
低温で揚げた唐揚げを高温で二度揚げする場合、疲れた油を使い続けるのではなく、新しい油を十分に継ぎ足し、短時間で揚げ終えましょう。
油が高温になりすぎたり、油の温度が急激に低下すると、油の酸化が促進するのでご注意ください。
鍋底に沈んだ天かすやパン粉を取り除く
鍋底に沈んだ天かすやパン粉は、早いうちに取り除いておくこと。
沈殿した衣(ころも)は、熱がこもった状態で油の中を対流し続けているため、油の酸化を早める原因になります。
衣が残ったまま揚げ物を続けると、衣に吸収された油が古くなったり、焦げ付いた仕上がりになります。
使い終えた油を冷ますとき、油の中に衣が残っていると、衣の中に古くなった油と熱が残り、酸化が進行します。
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2022/04/unnamed.jpg” name=”Rumi” type=”r”]アツアツを食べたいから、忘れがちですが・・・使い終えた油の衣を取り除いておくだけでも全然違います。火災の原因になるため、取り除いた衣は必ず冷ましてから捨てましょう![/voice]
オイルポットに入れて保存する
油の酸化を防ぐために、揚げ物を終えたら、オイルポットに入れることをおススメします。
使った油をオイルポットに入れる前に以下を守ること
- 必ず粗熱を取って冷ますこと
- 残った衣を鍋にそのまま放置しないこと
お鍋の中は、油や衣に熱が残った状態。酸化を促進させたり、火災の原因になるため、必ず守りましょう。
オイルポットの網やフィルターに残った衣を放置しないのも、長持ちのコツです。
オイルポットを使ったほうが効果的ですが、代替えの保存容器を使用する場合、
- 光を通さないもの
- フタがきっちり閉まるもの
を選ぶこと。
富士ホーローのオイルポットを私は使っています。
オイルポットに濾過した油は早く使い切る
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2020/06/unnamed-5.jpg” name=”お困りママ” type=”l”]いつもオイルポットに保管しただけで満足してしまいます。濾過しても酸化することありますか?[/voice]
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2022/04/unnamed.jpg” name=”Rumi” type=”r”]オイルポットは、酸化の進行を遅くするだけです。繰り返し使えて経済的ですが、早く使い切ることが大切です。 [/voice]
オイルポットに油を保管するだけで、100%酸化を防ぐものではありません。
オイルポットに入れて放置していれば、いつか油は酸化してしまいます。
揚げ物を作った翌日は、炒め物にするなど、早めに油を使いまわしましょう。
揚げ油としては3〜4回繰り返して使えますが、新しい油の継ぎ足しをお忘れなく。
鉄製の鍋は高温になりやすいので注意する
鉄製のお鍋は、油の酸化が進む条件がそろっています。
熱伝導が高く高温に耐えられるため、揚げ物に向いていますが、温度が高く上がりやすく、茶色く変色したり粘りや煙が出やすいデメリットがあります。
高温で揚げるトンカツや唐揚げは鉄の中華鍋、低温で揚げる天ぷらやかき揚げはルクルーゼを、私は使っています。
野菜や豆腐などの淡白な食材を揚げる場合、黒い焦げ粒が衣に付く場合があります。
高温で揚げる食材を中心に、鉄製のお鍋を使うなど、温度によってお鍋を使い分けたほうがよいでしょう。