カルボナーラは、チーズと生クリーム、そして卵を使った濃厚ソースが美味しいですよね。
こんがり焼いたカリカリベーコンがまた香ばしくって、おうちで味わいたい料理のひとつ。
雄山先生、な、何か失礼なこと申し上げました?
なんと、卵の白身も使ったカルボナーラは、「食べるまでもない。」とご立腹の様子。
白身、捨てちゃうの、もったいないじゃないですか!
なんて、先生には口が避けても物申せない私なんですが・・・そもそも、
カルボナーラは全卵で作ってはダメなものなのか?
白身ヌキの黄身のみカルボナーラと比較して、見た目や味、口当たりを検証してみることにしました。
カルボナーラは全卵?卵黄のみ?実際に作ったものがこれだ!
普通の主婦が実際にカルボナーラを2パターン作ってみました。
どちらも、誰がどう見ても普通のカルボナーラです。
「食べるまでもない?」
そ、そんな冷たいこと、おっしゃらないでください。
近くで見てみましょう。
全卵で作ったカルボナーラ
出典:美味しんぼ25巻 対決‼︎スパゲッティ(雁屋晢 原作/花咲アキラ 作画)
山岡さんまで・・・。(涙)
卵黄のみで作ったカルボナーラ
出典:美味しんぼ25巻 対決!!スパゲッティ(雁屋晢 原作/花咲アキラ 作画)
山岡さんは、白身を除いて黄身のみでカルボナーラを仕上げていました。
写真で観察してみると、確かに。
全卵を使ったカルボナーラは、表面がベタッとして、粒状の白身のカタマリがブツブツと残っています。
卵黄のみのカルボナーラは、トロンとした滑らかなソースが流れ出て汁気が残っています。
実は、これらのカルボナーラ、卵の使い方のみが違ってて、材料の分量と手順は同じです。
使う卵が違うだけ。同じ分量の材料と手順で作ったカルボナーラのレシピ
材料(1人分×2パターン)
1人分の材料と2パターンの卵で、合計2人分の材料を用意
- スパゲッティ(1.7mm):100g
- 塩:小さじ1
- 厚切りベーコン(5mm幅):2枚
- おろしニンニク:大さじ1
- 卵:1個
- 生クリーム:100ml
- バター:10g
- パルメザンチーズ:大さじ2
- 黒こしょう:適量
美味しんぼ25巻 対決!!スパゲッティ(雁屋晢 原作/花咲アキラ 作画)
作り方をカンタンに言うと、このとおり。
山岡さんは、ニンニクを使うとはおっしゃてませんが、香り付けのためプラスしました。
卵黄と全卵、それぞれを用意
卵は、卵黄と全卵、2パターンを用意!
あっちゃちゃ、卵1コ割るの失敗しちゃいましたね・・・。
まあ、よい。溶きほぐして使うんですから。
卵の使い方で仕上がりに違いがあるのか、作って検証してみまーす!
作り方
お鍋の水が沸騰したらパスタを投入!茹で時間は、袋の時間マイナス30秒!
小さじ1程度のお塩を入れて、ほんのり味付けをするのが私流。
ベーコンが焼きあがるタイミングで麺を茹でておきましょう。
パスタのお湯を沸かしている間にすること。
熱したフライパンに油をひかず中火でベーコンを空焼きし、カリカリに焼きます。
ベーコンの水分が少なくなると、フライパンからパチパチ音がしはじめます。
ここで、バター、おろしニンニクを投入し、弱火に。
バターがトロトロ溶けていくのを見届けながら、おろしニンニクをベーコンと絡めていきます。
ふう、ここまで焼き上げれば十分でしょう!
めっちゃ香ばしい香りがしますが、とても焦げやすい作業なのでヨソ見はNG。
茹で上がった麺がカピカピにならないうちに、サッと投入。弱火でベーコンと絡めていきます。
出典元:美味しんぼ25巻 対決!!スパゲッティ(雁屋晢原作/花咲アキラ 作画)
次の手順から、勝負の分かれ目!
全卵を加えた場合の仕上がりは?
弱火にかけているパスタに、生クリームとあらかじめ溶きほぐしておいた全卵を投入!
プルップルの卵白がみずみずしく光沢感がありますが、卵黄に比べ火の通り方がゆっくりですね。
卵全体が固まり始めたところで、パルメザンチーズと黒コショウを加えさっと混ぜて、火を止めて完成!
出典:美味しんぼ25巻 対決!!スパゲッティ(雁屋晢 原作/花咲アキラ 作画)
全卵で作ったカルボナーラ
中堀さんの作ったカルボナーラも、表面にダマのようなものがありますね。
我ながら、そっくり。マンガのコマに色をつけたような仕上がりに。
卵黄を加えた場合の仕上がり
こちらは、山岡さん流。同様の方法で卵黄を投入!
ぐっちゃーと潰しながら溶かしていく瞬間を見るの、なんだか楽しい。
けど、その瞬間が見れるのは、ほんの一瞬。
すぐに固まってしまうので・・・・パルメザンチーズと黒コショウをサッと投入!
固まらないうちにサッと混ぜて、火を止めて出来上がり。
出典:美味しんぼ25巻 対決!!スパゲッティ(雁屋晢 原作/花咲アキラ 作画)
卵黄のみで作ったカルボナーラ
山岡さんの作った黄身だけのカルボナーラがこちら。手順は、中堀さんと同じ。
表面に白いカタマリが見当たらず、全体的に薄黄色にコーティングされています。
白身が入ったカルボナーラと黄身だけカルボナーラを実食
では、実際に食べ比べてみましょう。
白身で作ったカルボナーラは、ソースっぽいトロミがなく、麺にペタッとついた仕上がりに。
出典:美味しんぼ25巻 対決!!スパゲッティ(雁屋晢 原作/花咲アキラ 作画)
このザラザラとした感触が、逆に全卵のカルボナーラの持ち味だと思っていたのですが・・・。
美味しいと思う点は、チーズとクリームが麺に張り付いた食感で、味が濃く卵っぽさを強く感じるところ。
出典:美味しんぼ25巻 対決!!スパゲッティ(雁屋晢 原作/花咲アキラ 作画)
出典:美味しんぼ25巻 対決!!スパゲッティ(雁屋晢 原作/花咲アキラ 作画)
こってりと口あたりがよい卵黄のカルボナーラの特徴。
トロットロのソースがなめらかで、ベタッとした感じがしません。
卵黄の方が塩味や香りが控えめに感じますが、卵と生クリームの甘みが強く感じますね。
食べ比べてみると、確かに・・・味や食感に違いがありました!
なぜ、卵黄と全卵で作ったカルボナーラの仕上がりに差が出てしまったのか?
説明しよう。卵の凝固温度だと思われます。
卵黄と卵白の凝固温度には、大きな差があるから。
例えば、ゆで卵の半熟と固ゆででは、味も食感も全然違いますよね。
卵白は熱が伝わりにくい性質のため、ゆで時間の長さによってゆで卵の中心の固まり方が変化します。
- 白身は、60℃から固まりはじめて、80℃で完全凝固
- 黄身は、65℃から固まりはじめて、75℃で完全凝固
ゆで卵の例があるように、白身が固まりやすそうにみえるけど、黄身のほうが固まる温度幅が小さいのです。
70℃を超えると黄身はすぐに固まるのに対し、白身はゆっくりと固まっていきます。
ゆで卵とアベコベなのが温泉卵。黄身が固まる温度をキープすることで、半熟の黄身とドロッとした白身ができるってこと。
美味しんぼ25巻 対決!!スパゲッティ(雁屋晢 原作/花咲アキラ 作画)[/caption]
もし、全卵でカルボナーラを作る場合、ポイントをひとつあげるなら、
ゆっくり温めた生クリームの後に卵を加え、くれぐれも火を加えすぎないこと!
フライパンの余熱を利用して麺を絡めて、全卵を固めていくほうがよいでしょう。
生クリームや卵を加えることでフライパンの温度が下がるから、生クリームを温めたあと、時間差でってな感じです。
カルボナーラに生クリームを入れることに対し賛否がありますが、卵が凝固する速度を遅らせることができます。
多少・・・失敗しにくくなるかと思います。
卵の仕組みを理解して、作りたいものを作ればよい!
実を言いますと、中堀さん同様、私も白身を入れて全卵でカルボナーラを作ることのほうが多いです。
理由は、冒頭の通り・・・。
けど、こうやって並べて食べてみると、卵黄のカルボナーラには全卵カルボナーラにはないクリーミーな美味しさがありますね。
白身の使い道を考えてから・・・卵黄カルボナーラを作ることにします。
カルボナーラは、卵と生クリーム、チーズとベーコン。
定番の少ない食材で贅沢感を味わえるんですから、ホント庶民のミカタですよ。
家庭料理として提供する分には、全卵でカルボナーラを作っても問題なし!
よりクオリティの高い仕上がりを求めたいときは、卵黄のみで作ってみるとよいと思います。
生クリームの代わりに、コスパのいい牛乳でいつも作ってるけど・・・
雄山先生、どうか怒らないでくださいね。