幼稚園や保育園、学校の図工の作品など、持ち帰ってくる子どもの作品たち。
画用紙一面大好きな水色のクレヨンで塗りつぶした青空の絵を眺めていると、「力一杯、グーで書きなぐったんだなぁ。」と想像してしまいます。
幼稚園のお絵かきの時間で手のひらがお空の色になるまで夢中になっている息子の姿を考えると、思わずクスッとした気持ちになったり。
これは私の勝手な想像なんですが・・・
子どもが一生懸命描いた作品を「なかなか捨てられない!」という方、いらっしゃるのではないでしょうか?
子どもの作品ひとつひとつにストーリーがあります。
「頑張ったねー。」とほのぼのした気持ちになる一方で、「また溜まっていくけど、どうしよう?!」という内なる感情も葛藤し合います。
さかのぼること2017年、息子が幼稚園を卒園し小学校1年生になるまで悩みに悩んで、最終的に「整理をすることにした。」という私の話です。
もくじ
子どもの作品のその後をどうしているのか、先輩ママに聞けずネットでググっていた。
「ねぇ、子どもの作品ってどうしてる〜?」
ってママ友に気軽に話すことができればいいものの、私の性格柄なかなか言い出すことができませんでした。
というものの、私にこのような先入観があったからです。
- 子どもが一生懸命作ったのに、邪魔だと思っているの?
- 子どもの作品を家に飾っておくのが、子どものためにいいんじゃないの?
もちろん、子どもが作品を作ることに対し、邪魔だとは一切思っていません。
子どもが頑張って作品を作り上げることは、成長するための大事なプロセスです。
あくまで、「このように思われているのではないのか?」というのが怖かったのです。
「ホント、子どもの作品ってどんどん溜まっていくよね〜。いつのまにか壊れちゃって捨ててるけどw」
というようなママ友トークの中に入ったこともありますが、実際のところ本音なのか建前なのか分からないのがママ友の世界。(怖くないですよ。)
結果・・・ネットでググるという小心者の私です。
ネットでググった結果、子どもの作品の収納方法は5つに分けられた。
Yahoo!知恵袋や育児系の口コミサイトなどから、質問一覧がズラーッと表れ、眺めているといつのまにか時間が過ぎていました。
調べた結果、以下の5つに分けられました。
- 写真に残してお気に入りのもの以外は捨てる
- 本人に捨てるもの残すものを選ばせる
- 目立つところに置いて遊べるだけ遊ばせる
- 大きな箱などを用意して作品置き場を作る
- 飾れるところにとことん飾る
思った以上にたくさんの情報が集まったを見て、「実はみんな、人には言えず悩んでいるのではないか。」という安心感がありました。
「ママ〜、何してるの?」
液晶に向かって必死で「子どもの作品をどうするのか」調べてるなんて、子どもには口が避けても言えません。ごめんよ、息子。
「飾ること前提で捨てる」という結論が多かったが余計に迷走。

5つの収納方法を見て、共通して言えることは
- 飾れるものは家に飾っている
- その後どうするのかを子どもに任せている
- 捨てるまでに時間をかけている
何かしら活用しようとしているという回答が多かったです。
その気持ちの中には、「捨てるのが申し訳ない」と思う方も多くいらっしゃるのでしょう。
もちろん、「捨てた」「いらない」というような本音をぶっちゃけている答え、
「捨てるなんてひどい、子どもがかわいそう」という答えもありました。
本音をぶっちゃけて共感を得られるのもネットだからできること。
「飾っておく」と答えた人の本音もパソコン上では知ることができないし、実際その人のお宅へ私が訪問したわけじゃないので、真実を知るってことなんてできません。
最終的に決めるのは、作品を作った子どもで私はその意思を尊重することしかできないのか。
ネットでググった結果、ますます頭を抱えてしまいました。
幼稚園時代の作品再び!小1息子の反応で決めた私の結論
息子がピカピカの1年生になったころ、我が家は都内から関西地方へ引っ越しました。
引っ越しが落ち着き小学校の生活に慣れ始めた頃、息子の幼稚園の作品を押入れから出して息子の反応を確かめてみました。
うっすら埃がかぶっていましたが、数ヶ月前に卒園した幼稚園で書いたものなので、まだ記憶に新しいものばかりです。
息子がゴソゴソと何かしている私の様子に気づいて、このような一言を言いました。
「ママ、恥ずかしいから見ないでー!(笑)」
ケラケラと笑いながら、家中を走り回り落ち着きのない様子。入学してもまだまだ幼稚園の延長線のように感じました。
「捨てていい」と本人から了承を得られなかったのですが、「もう見ないで〜!いらないよー!」というような表情になり、その声がますます大きく強くなりました。
この日は、結局作品を捨てるという行動までには至りませんでした。しかし分かったことがあります。
作った作品に対して
子どもの考え方と母親の考え方に大きくズレがあるということ。
「子どもが一生懸命書いたものだから残しておかなければならない!」というのは、私の思い込みだということ。
その後、子どもは作品の「さ」の字も出ずに、学校であった今日の出来事をベラベラと嬉しそうに話していました。
急に幼稚園の作品のことを思い出してしまい、逆に照れくさかったのかな。そんなふうに見えました。
最終決断。作品を子どもの見えないところで整理して心の中に永久保存

子どもが学校に行っていない間を見計らって、こっそりと作品を整理しました。
「捨てないでー!思い出のものだから。」
と言われると思いきや、まさかの”解禁拒否”でした。
うちの息子の場合なので、お子様によっていろんな反応が見られると思います。
お子様の様子に合わせて手放すかどうかをゆっくりと決めるといいでしょう。
ただ、ひとつ言えることを伝えておくと、
親が思っている以上に子どもは作品のことを気にしていないこと。
黒い大きな袋に入れて作品を見えなくし「子どもをここまで成長させてくれてありがとう」の気持ちを込めて、お別れをしました。
作品を1枚1枚眺めて見るとあの頃の思い出がよみがえってきてほろりとした気持ちになります。
2019年現在、息子が小学校3年生になり、幼稚園の作品について訊かれることはありません。
「ママ〜白い絵の具がなくなったよー。買って〜!」
クレヨンだった幼稚園時代から絵の具を使う小学生になり、絵の具の残量を自分で管理する年齢にまで成長しました。
息子が3年生の時に読んだ本で、2019年の読書感想文の課題図書になった「かみさまにあいたい」にこのような文章がありました。
「ものは、時間がたてば古くなっていくけど、思い出は消えないし、ずっときれいなままでしょ。」
「形がなくなったことで、思い出が永久保存(えいきゅうほぞん)されたような気がしたの。」
おはなしについて触れませんが、このセリフを思い出すたびに、子どもの作品のことが頭にうかびます。
「少しファイルに入れて残しておこうかな・・・作品専用のファイルだってAmazonで売ってるんだし。」
と、Amazonの購入画面を開いて買い物カゴに入れようとしましたが、今思うとやめて正解でした。
もしも手元に思い出の作品を残していたら、あの頃に生きた子どもとしてこれからも接してしまうでしょう。
子どもは着実に未来へと前へ進んでいます。
「幼稚園の絵、どこに置いたの?捨てたの?」
もしも、子どもからと聞かれたら、「心の中に永久保存しているよ。」と答えることに決めています。
作品を読んだ息子なら「そっか!」とケロっと言って、いつのまにか私の目の前からパーっと離れて、新たな場所へ人へと走り出すのではないか。
そんなワクワク感とちょっと寂しい気持ちでいっぱいだけど、決して時計の針を止めてはいけない。
一歩一歩自分の足で歩いている子どもをゆっくりと見守っていこう。