「低脂肪の牛乳をヨーグルトメーカーにセットしたら、脂肪分の少ないヨーグルトになるの?」
ヨーグルトメーカーでヨーグルトを作るときは、成分無調整牛乳を推奨しています。
その基準は
- 生乳100%
- 乳脂肪分3.0%以上
低脂肪牛乳や低脂肪乳の脂肪の量は、成分調整牛乳のおよそ1/2。
中性脂肪が気になる方やダイエット中の方の強いミカタです。
体にいいものの代名詞になっているヨーグルトに、さらに低脂肪が加わると、
「もっとカラダに良いもの、作れるのではないか!」
そんな期待が膨らみますよね。
「あれ?低脂肪牛乳なの?低脂肪乳なの?」
どっちも同じじゃないの?と思っていた方も多いかもしれませんが、実はこちらの牛乳には違いがあります。
実際に、低脂肪牛乳と低脂肪乳をヨーグルトメーカーと一緒にセットしてみることにしました。
低脂肪牛乳と低脂肪乳は同じもの?他の牛乳とどう違うの?
低脂肪と書かれている牛乳には、「低脂肪牛乳」と「低脂肪乳」があります。
「えー!どっちも一緒と思っていたけど違うの?」
ただの言葉のニュアンスの違いだと思いがちですが、表示を見ると大きく異なる点があります。
よく見ると・・・種類が異なります。
低脂肪乳は、「加工乳」と記載されています。
加工乳の特徴として、生乳の他にも「脱脂粉乳」と記載があります。
「森永 おいしい低脂肪牛乳」(写真左)の乳脂肪分が1.2%
「コープ さらっとおいしい低脂肪乳」(写真右)の乳脂肪分が1.0%です。
乳脂肪分の含有量はあまり変わりありません。
一般的な牛乳(成分無調整牛乳)とも比較してみましょう。
牛乳(成分無調整牛乳)の乳脂肪分が3.6%以上に対し、低脂肪牛乳と低脂肪乳は含有量が半分以上カットされています。
それに・・・カロリーも100kcal以下じゃないですか。
低脂肪の牛乳たちは、脂肪だけでなくカロリーを気にする方にもぴったりですね。
低脂肪牛乳・低脂肪乳の乳脂肪分の規定が0.5〜1.5%。基準を満たしておりますね。
そもそも「牛乳」って何?「乳」は牛乳じゃないの?
「乳」に「牛」が付いて「牛乳」なのに、牛がつくのとつかないとでどう違うのか?というと、乳等省令にこのような記載がありました。
第二条
- この省令において「乳」とは、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳及び加工乳をいう。
- この省令において「生乳」とは、搾取したままの牛の乳をいう。
- この省令において「牛乳」とは、直接飲用に供する目的又はこれを原料とした食品の製造若しくは加工の用に供する目的で販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。以下同じ。)する牛の乳をいう
カンタンに言うと、牛から搾ったお乳そのものを「生乳(牛の乳)」のこと。
「乳」の分類はとても広く、牛から搾った生乳や牛乳、生乳の一部を含む加工乳や乳飲料、羊や山羊の生乳も含まれています。
衛生上、「生乳」を直接飲用することはできないため、加熱殺菌することで初めて牛乳(成分無調整牛乳)として販売することができます。
低脂肪牛乳と低脂肪乳の話に戻しますね。
「牛乳」という言葉を使っている低脂肪牛乳は、生乳の比率が100%でないと成り立ちません。
反対をいうと、生乳の他に乳製品やカルシウムなど人の手を加えてしまうと、「牛乳」という言葉が使えなくなってしまうのです。
Rumi
生乳に何か入ってしまうと「牛乳」とは呼べず「加工乳」や「乳飲料」になります。
※1 低脂肪牛乳は、乳脂肪分の調整をしているため「成分調整牛乳」に該当します。
※2 カルシウムや鉄などの栄養素を添加した低脂肪乳の場合が「乳飲料」です。
牛乳の分類についてのおさらい(関連記事)
成分調整牛乳とは・・・
- 生乳100%乳脂肪分などの成分を調整し殺菌したもの
- 無脂乳固形分8.0%以上
加工乳とは・・・
- 生乳に脱脂粉乳、クリーム、バターなどの乳製品を添加たもの
- 無脂乳固形分:8.0%以上
乳脂肪分の規定はなく、除去と増量が両方できる生乳に乳製品のみを添加したものが加工乳で、それに加えてカルシウムや鉄などの栄養素を添加したものを乳飲料と呼んでいます。
今から2種類の低脂肪の牛乳たちをヨーグルトメーカーにセットします。
私が使っているヨーグルトメーカー、「ヨーグルトファクトリー」の取説によると、低脂肪牛乳は酸味が強くなったり分離したり、種菌が弱くなったりするとのこと。
成分無調整牛乳のように上手く固まらない可能性があります。
低脂肪乳は、加工乳なので、固まらない・・・かもしれませんね?
もし上手く固まることができたら、脂肪分が半分になりますしダイエットにも取り入れたいですよね。
どれくらい固まることができるのか、ドキドキです。
低脂肪の牛乳を使って自家製ヨーグルトを作ってみます。
それでは、低脂肪牛乳と低脂肪乳をヨーグルトメーカーに実際にセットした結果をご紹介。
低脂肪牛乳で作ったヨーグルト
使用した牛乳は森永乳業さんの「おいしい低脂肪牛乳」を使用します。
種菌は、明治さんの「LG21」です。
固まりやすくするために、冷蔵庫から出して1時間常温に置いていました。
100mlほど牛乳を減らし、種菌を加えます。
清潔にしたヨーグルトメーカーにセットして、8〜10時間あたためます。
※涼しくなると、ヨーグルトの固まるスピードが遅くなる場合があります。途中で固まり具合をご確認ください。
24時間放置・・・長いですね。中を見てみると・・・
ん?固まっているように見えますよね?
画像じゃわかりにくいので、中身を実際に見てみましょう
粗熱を取り、冷蔵庫に半日牛乳パックごと入れておいたものですが、こんな感じになってます。
意外に・・・固まってました。
あたたかいうちに中身を出すと、仕上がりが柔らかく水っぽくなることが過去にありました。
ヨーグルトメーカーから出したばかりのものではなく、いったん冷やして中身を出したので、固まり具合がよかったです。
※スピードはゆっくりになりますが、ヨーグルトメーカーから出して冷やした状態でも発酵します。
容器に移すと、タラタラと流れ出るような感じです。
飲むヨーグルトやスムージーのように緩いトロミですよね。
容器に移し終えた様子。
ぱっと見は普通にヨーグルトのような出来上がりで、あまり違和感はありません。
トロミがちょっと緩いかな?
口にしてみると、ちょっと酸味があり牛乳っぽさが控えめです。
トロミは少なく液体っぽさがありますが、さっぱりとした味でこれはこれで美味しいです。
家族の感想は・・・ノーコメント!(え、気づいてない・・・?)
はちみつなど甘みを足すとヨーグルト本来のコクやうま味に気づきにくいですが、そのままで食べると物足りない感じがします。
夫に低脂肪牛乳のヨーグルトであることを言ってみると、
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2018/10/A2B2A47F-9627-4C7F-8637-DF69E2EDCAE5.png” name=”夫” type=”l”]低脂肪の方が脂肪の量減らせていいんじゃね?あまり違和感ないし。[/voice]
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2018/09/A8E4E0DC-6C99-4E61-98AA-BE4060880DBF.png” name=”Rumi” type=”r”]ヨーグルトだけで食べたい人には物足りない感じかな?[/voice]
「脂肪=摂りすぎはよくない」というようにネガティブなイメージが強いですが、ヨーグルトが美味しいのは脂肪分があるからこそなんでしょうね。
物足りなさははちみつやジャムなどで甘みを足したり、ナッツやグラノーラなどのトッピングでカバーして召し上がるようにしましょう。
では、続きまして、低脂肪乳ヨーグルト行きましょう。
低脂肪乳で作ったヨーグルト
使用した牛乳はコープさんの「さらっとおいしい低脂肪乳」を使用します。
種菌は、明治さんの「LG21」です。
低脂肪牛乳で作った場合と同様、固まりやすくするために冷蔵庫から出して1時間常温に置いていました。
同様の方法で。
低脂肪乳も固まりが弱いのではないか・・・と予想をしたため、長めに温めました。
24時間放置で、冷蔵庫でいったん冷却した後の、低脂肪乳ヨーグルトはこちら。
固まるかな?とドキドキしていましたが・・・
なんとかここまで固まりました・・・!
ん〜・・・固まっているように見えますが・・・トロミは緩いです。
撮影のため、スパチュラですくった状態で手を静止していますが、その間にボタボタとヨーグルトが器にこぼれていきました。
器に移した時の様子。
緩いとはいえ、固形の状態は維持できています。
低脂肪牛乳と同じ、タラタラと流れ出たような感じです。
見た目はあまり変わらないかな?誰がどうみてもヨーグルトって感じです。
そのままで口にしてみると・・・低脂肪牛乳と喉越しはあまり変わらないかな?
酸味はそこそこあるのだけど、牛乳っぽさが控えめです。
さっぱりとしていますが、ちょっとコクが足りない感じです。
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2018/10/F547BAE2-FA52-43E1-A91C-35CF49EF70B5.png” name=”長男” type=”l”]今日のヨーグルト、なんか薄いよー?[/voice]
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2018/10/9172E30D-9F37-47F1-819A-D14B95E2720E.png” name=”長女” type=”l”]はちみつたくさん入れると、はちみつの味がするよー![/voice]
はちみつをヨーグルトにたっぷりかける子どもたちが、違いに気づいたのか?
「ヨーグルトの味があまりしない」との感想もらいました。
さすが、子ども。舌の反応が敏感です。
[voice icon=”https://homemade365.com/wp-content/uploads/2018/09/A8E4E0DC-6C99-4E61-98AA-BE4060880DBF.png” name=”Rumi” type=”r”]生乳と脂質の量が少なくなると、薄くなっちゃうんだね。 [/voice]
低脂肪乳は低コストで脂肪を抑えることができるし、そのまま飲むとすっきりした味わいで美味しいのですが、ヨーグルトに向くかというと好き嫌いが分かれます。
決して失敗ではありませんが、牛乳のコクや風味が好きな方は成分無調整牛乳がオススメです。
物足りないけどさっぱりヨーグルトが完成。
実験の結果、低脂肪牛乳や低脂肪乳でヨーグルトを作ることができました。
この条件で実験をした結果、凝固することに成功しました。
成分無調整牛乳で作ったヨーグルトと比較して、クリーミーな味わいが少なく、物足りなさを感じたのが、正直な感想です。
でも、さっぱりとした酸味で脂肪分を抑えることができるので、ダイエットしたい方向けのヨーグルトになるのではないでしょうか。
「薄い。」「液体っぽい。」という感じがしますが、物足りなさはこのようにナッツやフルーツグラノーラなど栄養価の高いトッピングでカバー。
はちみつをさらに足すと、うまみやコクが増します。
「逆に脂肪の量、増えそう!」
もちろん、かけすぎ注意なんですけど、不足しがちな栄養を補うことができてバランスが良くなります。
ナッツやグラノーラには、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
ヨーグルトだけでは摂ることのできない栄養も一緒に摂れますよね。
脂肪分の量が気になる方、ダイエット中の方は、低脂肪牛乳でヨーグルトを作ってみて一度自分の舌で確かめてみてくださいね。